終わり
□◎第65話・終着点◎
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僕の人生の果てに
君が待っている。
それで、いい
◎終着点◎
大根がいる病室に入ると、規則正しい機械の音がした。
けど、消えそうなくらい弱々しく、ゆっくりだった。
僕等が入るとき、すれ違いに大根の両親が病室から出て来た。
2人とも、泣いていた。
僕は、その2人を見て、何とも言えない気持ちになった。
自分の娘が、自分より先に逝く。
どんなに、辛いことか…。
病室に入ると、僕は真っ直ぐに大根のいるベッドに向かった。
「大根…」
僕は、弱々しく声をかけた。
けど返事はない。
ぴくりとも動かない。
ただ、彼女は心臓がゆっくり動いているだけ。
ねぇ…大根。
僕の声、聞こえてる…?
すると、ローツが僕の隣に来た。
「まったく大根さんも水臭いよなぁ。つっくと2人で沖縄に行っちゃおうとするんだもん…。
俺と豆腐だって、いくらでも付き合ってやるのにさ…」
ははっと笑いながら、ローツは言った。
けど、目は涙目だった。
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