終わり
□◎第60話・愛してる◎
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私が欲しいものは
貴方がくれる。
◎愛してる◎
このドアのむこうに行ったら最後。
もう振り返れない。
戻れない。
でも、僕も彼女も覚悟を決めた。
前に進まなきゃ…。
―トントン―
「大根……入るよ?」
ドアをノックし、ドアを開けた。
中に入ると、窓際のベットで座って本を読んでいる大根がいた。
昼下がりの太陽が、優しく室内を照らしていた。
僕等の再会を祝すように…。
「つっく…っ」
「大根っ」
僕等は、抱き合った。
まるで、長年会ってなかった恋人のように、今の出逢いを噛み締めていた。
「ホントは…逢いたかったんだよ…」
「うん」
大根の体は、震えていた。
僕は、震えを止めるくらい、キツく抱き締めた。
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