終わり

□◎第60話・愛してる◎
1ページ/5ページ



私が欲しいものは

貴方がくれる。


◎愛してる◎


このドアのむこうに行ったら最後。

もう振り返れない。

戻れない。

でも、僕も彼女も覚悟を決めた。

前に進まなきゃ…。

―トントン―

「大根……入るよ?」

ドアをノックし、ドアを開けた。

中に入ると、窓際のベットで座って本を読んでいる大根がいた。

昼下がりの太陽が、優しく室内を照らしていた。

僕等の再会を祝すように…。

「つっく…っ」

「大根っ」

僕等は、抱き合った。

まるで、長年会ってなかった恋人のように、今の出逢いを噛み締めていた。

「ホントは…逢いたかったんだよ…」

「うん」

大根の体は、震えていた。

僕は、震えを止めるくらい、キツく抱き締めた。


_
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ