11/16の日記

00:15
ふゆさんご(あなたを信じる)
---------------
 手元のトランプには、4が4つある。
 場には今まで溜めに溜めたカード。
 ダウトと言う遊びだ。ルールは簡単で、カードを順番に裏向きに出し、嘘を見抜く。
 ダウトと言われた方が間違っていれば言われた方が、合っていれば言った方が、場札を回収しなければならない。
 そして今から順当に回れば、必ず彼女に4が当たる。
 まだ出ていないジョーカーは、自分に来ていないから、彼女かダグラスに行っているだろう。
 無表情で7と言いながらJを出し、次へ回す。
 次のエリーは8と言いながら2枚出した。特に表情に変化はない。
 無難にスルーする。
 そうして更にカードを重ね、遂に。
「4! ……です」
 自信なさげに、おずおずと2枚出した。
 1枚ならジョーカーの可能性がある。しかし、2枚。
「ダウトだ、エルフィール」
 まるで、悪人を裁くようにきっぱり言い放つ。
 エリーはそっと、今出したカードをひっくり返す。
 それは。
「ジョ……ジョーカーだと!? しかも2枚……!」
「えへ、ごめんなさいエンデルク様。4を4枚持ってるの、分かってたので、嵌めさせていただいちゃいました♪」
「お前っ……!」
 圧倒的な量のカードに絶望していると。
「信じていましたから。絶対ダウトを指摘するって」
 そう、彼女は無邪気に笑った。
 とても良い笑顔で。

前へ|次へ

コメントを書く
日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ