11/06の日記

23:55
さねかずら(躊躇)
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(隊長、本当にあんまり喋んないんスね)
(喋っても少しだし……)
(……怖ぇえよ……)
 静かな謁見室の中、新人騎士が恐怖に戦く。
 その視線の先には、剣聖。堅固な要塞に似た雰囲気を持つ。
 剣聖は時々喋るが、基本、業務に関することのみ。無駄な喋りは一切しない。
「おはようございます!」
 朗らかな声が響き、唐突に謁見室が華やかになる。
 剣聖の恋人だ。
 私語を禁じられている騎士たちは、無言ではあるものの、柔らかな視線を彼女に与える。
 玉座に座るブレドルフも、ご機嫌なようで、笑顔で迎えた。
「おはよう、エリー。今日も元気みたいだね」
 しかし。
 肝心のエンデルクは絶対零度のまま。
「エンデルク様も、おはようございます!」
 エリーはめげずに、にっこりと微笑む。身長差のため、自然と上目遣い。
 が、当のエンデルクは変わらず、冷たい視線で見つめている。
(くうぅっ、エリーちゃん、可愛いッ!)
(これで動じないなんて、隊長、本当に男なのかっ!?)
 騎士たちの不満をよそに、しばし見つめ合う二人。
 そして、短い逢瀬の時間は終わる。
 エリーが名残惜しそうに帰って行く。
 その時、騎士たちは信じられないものを目にした。
 彼女の後を追うように、無骨な手が差し出される。しかし、彼女を捕まえるには遅く、何も触れることができなかった。
「…………ぁ」
 まるで、捨てられた子犬のように、差し出した手と彼女を、しげしげと見比べるエンデルク。
(((く、口下手なだけ!?)))
 騎士たちは不満から一転、剣聖のあまりに不器用な様に、悶え苦しんだ。


 元ネタあります(ぉ
 隊長はきっと、口下手なだけ(笑

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