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□拓蘭
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今日は霧野が学校を休んだ



昨日から様子がおかしいと思っていた俺の勘はずばり的中したようで、


今日は学校に来ていなかった



「あれ、神童、今日は霧野は休みなのか?」


珍しく倉間が話しかけてくる
本当に珍しいからびっくりしてしまった

「あ、ああ。今日は風邪で休みだよ」

「そーか。せっかくDF技の特訓つきやってやろーと思ってたのに」

なんていいながら浜野と速水の所へ行く
この3人は仲がいいと思うが、自由すぎて面白い


(帰りに、アイスでも持ってお見舞いに行こう…)




今日はあまり調子が出なかった






霧野と書かれた表札


俺の家はでかいでかいとよく言われるが、
霧野の家も十分でかいと思う


純和風の家

霧野は京都が本場の和菓子屋の跡取りだ



チャイムを鳴らすと、すぐに品のよさそうな若い人が門から出てきた


「お久しぶりです、おばさん」

「あらまあ、ひさしぶりねえ!蘭ちゃんなら2階のお部屋よ、さあさあ早くお入りなさいな」


おばさんと呼ぶにはふさわしくない年齢だと思われる

この人が霧野のお母さん

小さいころからよく面倒を見てくれたし、
こう見えても和菓子の職人さんで華道も茶道もやってのける、
すばらしい人だ




2階の霧野の部屋まで上がる


いつも通りノックをしてから中へ入る



「霧野!寝てなくていいのか」

「ああ、神童!大丈夫だよ、母さんが大げさすぎるんだ」


中に入ってみて俺は目を疑った
霧野は普通にテレビを見ていた


「あ、これ。俺からのお見舞いだ」

「おお!アイスか!!今日は和菓子しか食べてないからうれしいよ」


さすが和菓子屋…というかいつも朝・昼・夜は和菓子というのが異常過ぎて怖い

※普通のところではあり得ません。




2時間ほどして俺は帰るために門まで出た

「じゃあ、気をつけてな」


ここまで見送りに来てくれる霧野


「ああ、霧野も。明日には来れるんだろう?」

「もちろんだ。」

「絶対来いよ!待ってるからな」


おでこに軽いキスをして真っ赤な顔を見て思う





ああ、霧野が居ないと俺はだめだ





「ちょ、神童…!!」

「またな、霧野!」


そう言って俺は家路についた

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