長編 -復活-


□やはり展開はベタなようで
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*イーピンは子供だけど、アルコは全員大人。



_並盛町

「ふぅ、やっと着きました。…弟子は何処にいるんでしょう…?」



とある仕事の都合上、長期で日本に滞在することになった。


だが、ここ日本に来るのも何年振りか忘れたぐらいなのにやはりこの町も分からないわけで。
弟子であるイーピンもどこにいるか分からずじまい。


「さて、困りましたね。仕方ない、せめてリボーンに会えれば・・・」



「ちゃおっす。」



「?!リボーン、いたんですか?」


いきなり彼独特の挨拶を投げかけてきた私と同じアルコバレーノである、リボーン。


「ああ、今さっきな。師匠がなかなか来ねぇってお前の弟子が俺んとこ来たからな。やっぱり迷ってたか。」



「日本に来るのはもう・・・5・6年は前ですから。日本はだいぶ変わりましたね。」



「まあな。ああ、そうだイーピンなら俺ん家にいるからな。どーせ会うんだろ?さっさと行くぞ。」



「!!・・・ありがとうございます。助かります。」



我が弟子としっかり合う計画を立てておかなければいけなかった、と少し後悔しつつ、リボーンのあとに続く。













____沢田家


「ここがボンゴレ10代目と門外顧問の沢田家光の自宅ですか・・・」


 
「ほら、ぼやっとしてねぇでさっさと行くぞ。」


リボーンにせかされながら沢田家にお邪魔する。

「イーピンなら2階のツナの部屋にいると思うぞ。」


「ツナ…? あぁ、ボンゴレ10代目のことですか。イーピンからの手紙によく書かれている家光の息子ですね。…そういえば、綱吉さんとは初めてお会いします。」


「そう堅くなんなよ。あいつはボンゴレ10代目の前に俺の生徒だ。風に拳法を教えてもらうのもいいかもしれねーな。」



そんな話をしながら階段を上がり、ボンゴレの次期ボスの自室に入る。



「あ、あれ。リボーン、帰ってたんだ? ってか、後ろの人は?」


「〜、〜〜〜〜〜〜。〜〜〜〜〜〜‼」


部屋にはボンゴレ10代目(こんな方なんですね…)と弟子のイーピンの姿が。
あ、お師匠様発見!迎えに行けなくてごめんなさい‼と中国語で謝るイーピンに、もう少しちゃんと計画してなければいけませんね。と苦笑しながら中国語で返す。



「ツナ、こいつは俺と同じアルコバレーノで、イーピンの師匠の風だ。話ぐらいは聞いたことあるだろ。」


「アルコバレーノの⁈」


「はい。はじめまして、綱吉さん。」


「は、はじめまして。」


「何上がってんだ、ダメツナ。そんなんだからいつまでたってもダメなんだろうが。」


「ちょ、リボーン‼いきなり銃むけるなよ!」



突然始まったリボーンのスパルタ(下手したら死んでしまう)教育にさすがリボーン…と心中でつぶやいた。

突然、コンコンとドアがノックされ、ドアが開く。ご家族でしょうか?




『ツナ、イーピンちゃん。リボーンくん帰ってきた?』


「ん?なんだ、綾乃か。リボーンならここいるけど。」



『ホントだ。おかえり。あ、ビアンキがリボーンくんのこと呼んでたよ。』



「おう、んじゃ、ちょっと行ってくる。」


ボンゴレの次期ボスと同年代らしい綾乃さんがリボーンを呼ぶ。…毒サソリ、懐かしいですね。 少し思い出を懐かしんでいると、綾乃さんが声をかけてきた。



『え…と、失礼ですが、イーピンちゃんの師匠さんですか?』


「‼ はい、そうですけど、よく分かりましたね。驚きました。…あと、勝手ながらお邪魔しています。」


まさか初対面の方にイーピンの師匠をやってるなんて分かる方がいるとは…。


『あの、イーピンちゃんが前に言ってたんですよ。それに、イーピンちゃんが言ってたように、知り合いと顔がとても似てて、それで。』


「…なるほど。イーピンが…いつも面倒を見ていただいて、すいません。」


『いえいえ。』


私と顔がとても似ている方がいるのかと思っていると、ボンゴレのボスが綾乃さんを紹介してくれた。



「あ、風さん。こいつとは双子で、俺の姉の綾乃です。」


「…⁈ 綱吉さん、双子だったんですか。」


「そうですよ、あ、言ってませんでしたね。」


今日は驚くことが多いなと実感しながら、そばにきたイーピンの頭を撫でる。…こういうことをするのも、久しぶりです。



『沢田綾乃です。リボーンくんとツナの知り合い、ですか?』



「はい、…私は風です。よろしくお願いします。」



かわいらしい人だなぁと感じつつ、簡単に自己紹介を。
よく見れば、髪の色や瞳の大きなところ、少し雰囲気が綱吉さんに似ているんでしょうね。



「綾、母さんは?今日は見ていないんだけど。」



『あれ、ツナ知らないの?お母さんはこの前町内のくじで温泉旅行券当てて、今日、近所の人と行ってるよ?』


 
「ええ?!聞いてないよ!!・・・まあいいけどさ。じゃ、今日の飯は綾が作るんだ?」




『そーいうこと。風さんもご飯一緒にどうですか?もう、暗いですし。』



 
「え?でも、私は突然お邪魔していますし。」




まさか私に夕飯の誘いがくるとは。確かにもう暗いですが、沢田家の団欒を邪魔する訳には・・・



『大丈夫ですよ。ご飯はいつも多めに作りますし、1人ぐらい増えても平気ですよ。・・・もしかして用事とかがあったり、迷惑なら・・・』


 
「あ、いえ。用事とかはないですよ。・・・みなさんが迷惑ではないなら、お言葉に甘えて。」



「はい。迷惑だなんて、逆にみんな喜びますよ。」


綾乃さんはにっこりと綺麗な笑顔を浮かべて、それでは準備しに行きますね。と言ってこの部屋から出た。イーピンも綾乃のお手伝い、する!!、なんて言って綾乃さんのあとに続き出ていく。











その後の私は何故か放心状態で。














それにしても何でこんなに胸が熱くて鼓動が高鳴るんでしょう?





何で綾乃さんの声が、笑顔が頭から離れないんでしょう?





こんなに私の名前を呼ばれて緊張することなんてなかったのに。






いつのまにか部屋にいたリボーンから(貴方は本当に神出鬼没なんですね・・・)ニヤニヤと冷やかすような顔で、




 

「おめえ、綾乃に惚れたか?」











と言われて私と綱吉さんが顔を真っ赤にして焦ったのは言うまでもない。(綱吉さんの場合は「え"、え"ええええええぇぇぇぇ?!?!」と絶叫していましたが)



  

 
「アルコバレーノとボンゴレ10代目の双子の姉との恋、ってか。いや、今はまだ風の片思いか。・・・フッ。 面白くなってきたな。」





からかわないで下さい という念を込めてリボーンを睨む。




 
「・・・リボーン、決めました。」




 
「ん?何をだ?」




いまだに顔ににやつきを残しているリボーンにしつこいですねと心中でイラつく。
一方の綱吉さんはきょとんとしたまま私の次の言葉を待っている。



  


 


 


     「私、日本にしばらく住みます。」








これまた綱吉さんが絶叫。それをリボーンが足蹴りで止めようとしている。(荒くなりましたね、リボーン・・・。)





本当は任務が終わればすぐに母国に帰るつもりでしたが、どうやら日本に留まる理由が出来ました。















・・・・・・・・綾乃さんに、一目惚れしました。





















____やはり展開はベタなようで




















(「・・・綾乃さんの手料理、美味しいです!!」)
(『あ、本当ですか?!よかったぁー・・・風さんのお口に合うかどうか心配だったんです。』)

(「・・・風は綾乃に胃袋まで掴まれたな。」)
(「・・・リボーン・・・」 )
( 「う、うわっ!!風さん、顔は笑ってるに目が笑ってない!!」)

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