together

□君と共に
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「んん…」


朝…窓から差し込む光で目が覚めた。

私はいつものように起き上がろうとした…けどそれは叶わなかった。


「!エフラム…!」
「俺を置いて先に起きるつもりか?」


再びベッドへと引き戻され、目の前にはエフラムの優しい顔があった。

そういえば私…エフラムと……


それと同時にお互い裸だった事に気付き、もう湯気が出るんじゃないかってくらい自分の顔が熱くなった。


「はは、今更そんなに恥ずかしがる事ないだろ?昨日はあんなに…」
「わーわー!!言わなくて良いからっ!!」

私は咄嗟に彼の口を両手で塞いだ。

「本当に面白いよな、ナマエって」
「うるさい…」


そんなやり取りをした後、互いにシャワーを済ませて朝食を取った。



「…!うそ…」



洗い物を終え、リビングへ目をやった時に思わず固まった。


そこにはあの日以来、ずっとつく事の無かったテレビがジジっと音を立てて点滅していたのだ。

その砂嵐の合間に見える映像は…エフラムとオルソンが対峙しているゲーム画面だった。


「これは…」
「もしかして、もう…?…!!」


エフラムを見ると、テレビの点滅に合わせて彼も一瞬透けたり戻ったりを繰り返していたのだ。

次第にその点滅は激しくなり、ゲーム画面がはっきりと見えてくるほどになった。

それと同時に彼自身も透け始めて…


「っ、エフラム…!!」


私は思わずエフラムに抱きついた。

「…どうやら、もう時間みたいだな…まさかもうこの時が来るなんて思わなかった…」
「いや…行かないで、エフラム…!ずっと私の傍に、居て欲しいよ…っ!」


とんでもない我が儘だと思いながらも、やはりそう思わずにはいられなかった。

涙が次々と流れ落ちていく中、エフラムは私の顔を両手で包んで口を開いた。


「ナマエ…もし今お前を連れて行けなくても、いつか方法を探し出して必ず迎えに行く。だから…俺を忘れないでくれ。お前を愛している俺を、ずっと…」
「エフラム…忘れるわけ、ないじゃないっ…!もうあなた以外…愛せないもの……ッ」



「ふっ…それを聞けて安心した。…ナマエ、愛してる。心から…お前を……」



エフラムはそう言うと私に深いキスをした。



その途端、辺りは強い光に包まれた___…
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