together

□想いは交差する
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翌朝…


「おはよう、エフラム」
「おはよう、ナマエ。今日は昨日より早いんだな」

エフラムと出会ってから3日目の朝…
さすがに昨日みたいに驚いたりはしない。

慣れるの早過ぎ…?

「そう、今日は私大学行かなきゃいけないんだ。その間エフラムどうしようか…?」
「別にこの家に居てもいいんだが…折角ならバイトに行きたいと思ってる」
「え、いいの?」
「ああ。あんな体験そうそう出来ないからな…それに普通に楽しいんだ」


正直、自分からそうやって申し出てくれるとは思ってなかった。


「エフラムがそう言うなら分かった。じゃあご飯食べて準備しよう」


そしていつものように朝食を食べ私は大学の準備を、エフラムはバイトの準備を済ませて外に出た。



「じゃあ、頑張ってね!大学が終わるの夕方だから、またその時になったらこっちに来るからね」
「ああ。ナマエも頑張れよ」

お互い手を振り合ってその場で別れた。







大学で講義を受けている最中、私はまるで講義の内容に集中する事が出来なかった。


エフラム…今頃ちゃんと接客してるんだろうな。

彼の噂はSNSで拡散され、瞬く間にうちの店はかっこいい店員がいるというお店として広まった。

女性客の心を鷲掴みにしちゃうのも無理ないよね…


後はFE聖魔のエフラムにそっくりだという事も話題になっていた。

さすがにマズイかな…と思ったけど、まさか本人だと思う人はいなかったみたいで。

エフラムにそっくりな外国の人…としてSNSではちょっとした話題になっていたりした。


「おーい、ナマエさーん?」


気付けば目の前には大学の友達が顔をのぞき込んでいた。

彼女は同じFE好きな仲間でよく一緒に居る一人だ。
そういえば昨日の夜、エフラムの噂を聞いた彼女から興奮気味にメッセージ送られてきたっけ…


「!どうかした…?」
「どうしたも何も、講義終わったよ?ほら、早くお昼食べに行くよ!」

私は彼女に腕を引かれて食堂へと連れて行かれた。




「あんた今日ずっと上の空だったけど何かあったの?」

ランチを食べながら友達は心配そうに聞いてくれた。

「え…いや、別に何も…」
「…はっはーん…分かった、さては男だろう!」
「!?」


私はその言葉に思わずむせてしまった。


「マジで分かりやすいわね…絶対エフラム君でしょ?ねえ、そうでしょ?」
「…仰るとおりです……」

私は観念して彼女にエフラムの事が気になって仕方がないという事を話した。


「うんうん…それは無理もないわよねぇ。だってあんたの一番の推しとそっくりな男の子だもの。しかも名前も同じときた…何か本当に聖魔の世界から飛び出してきたって感じよね!」
「う"っ…!!」

最後の言葉にまた盛大にむせてしまった。


いくら私がエフラムオタクと知っている彼女に本当の事を言っても、ただのイタイヤツと思われるのは目に見えている…

ただ、エフラムの事を本当に外国人のそっくりさんだと認識されているのが幸いだ。


「いやーあんたが羨ましいわよ…でも、私はナマエの事応援してるからね!」
「あの、まだ好きって決まった訳じゃなく……まあ、いっか…」

どこか楽しそうな彼女の様子に私も笑って返したのだった。
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