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□第三章 待ち受ける者
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グラド城の中に入れば、既にグラド兵達が布陣していていつでも戦えるといった感じだった。
さっき外で感じた時よりも空気が重い…
何だか息苦しささえも感じる気がする。
これもミルラの言う禍々しい気配と関係あるのかな…?
「ここはいつも以上に敵の数が多い。みんな、準備はしっかりとしておいてくれ」
それぞれ進撃準備に取り掛かり、私も杖の整理を始める。
回復の杖はまだ大丈夫そうだね。
…あ……そういえば、ここの戦闘ってレストを持っていった方が良かったよね?
確かバサークの杖を使ってくる厄介な敵が二人もいたはずだから…
私はそれを思い出すとラーチェルの元へと駆け寄る。
「ラーチェル様」
「あら、ナマエ。どうかされましたの?」
「今回のご出陣にはレストを持っていかれた方が良いかと思います」
突然の提案に彼女は不思議そうな顔をした。
「レストを?それは構いませんが…どうしてですの?」
「えっと…ここはグラド城です。グラドは闇魔法が発達しているので、どんな術を仕掛けてくるかも分かりません。もし可笑しな術にかかってしまった場合、私達で治せるのが良いかと思いまして…」
私がそう言うと、ラーチェルはぱあっと笑顔で手を叩く。
「まあ、それは盲点でしたわ。貴女の着眼点はとても素晴らしいです。それでは持っていくに越したことはありませんわね」
何とか納得してくれてホッとする。
でも…これはゲームでの記憶があるからこその情報。
そんな事知る由もない彼女からしたらそう思うかもしれないけど…ちょっと申し訳ない気分だ。
それから私も以前タイゼルでヨシュアに買ってもらったレストを忘れずに持った。
Mシールドが使えるって分かったから、同じレベルで扱えるレストも使えるはず。
「みんな、準備はいいな?全員、進軍開始!」
進撃準備が整ったところで一斉にお城の中へと突入する。
道が左右に分かれているため、それぞれ分散して進む事に。
「ナマエ、君はこちらに来てくれ」
「はい」
私はエフラムと共に左側から進んでいく事になった。
右側にはラーチェルがいてくれるから回復と…“彼”についての心配もなさそうかな。