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□第三章 待ち受ける者
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翌朝…

起きてみると何やら少し騒がしい様子。
支度をして宿の外に出てみると、エフラムがゼトと話しているのが見えた。


ミルラ…やっぱり一人で行っちゃったんだね……


ゼトと話し終えたのか、エフラムは宿から出てきた私に気が付くとこちらに歩いて来た。

「ナマエ。起きていたのか」
「おはようございます。あの…どうかされたのですか?」

本当は分かっているけれど、ここは何があったのか聞くのが自然な流れだよね…


「ああ…ミルラがいなくなったんだ。話によると一人で東へ向かったみたいでな」
「ミルラが…すみません、私が話を聞いておきながら何も出来ず…」
「なあ、ミルラは何を話していたんだ?」

私はあの時彼女から聞いた事をエフラムに伝える。


「ミルラがそんな事を…」
「エフラム様にご相談させていただこうかとも思ったのですが…彼女の気持ちを無視してしまう事も出来ず…結局このような事態を招いてしまいました。本当に、申し訳ありません…」

改めて何も出来なかった事を謝った。


私、謝ってばかりだな…
でも…こうなる事を知っていた上での事だから尚更…


「そう自分を責めるな。それは君の優しさでもある。ミルラの話を聞いていてくれただけで十分だ」


こうやってまた、私は貴方の優しさに甘えてしまうのだろう。
エフラムが思ってるよりも…私は卑怯な人間なんだ…


「これから東へ進軍する事になった。急で悪いが、準備を進めてもらえるか?」
「はい、分かりました」

そこで一旦エフラムと別れ、私も進軍準備に取り掛かる。

ライブの杖ももうすぐで壊れそうだな…昨日ヨシュアに買ってもらったものを持っていこう。


「あ、ナマエさん。おはよう」


準備をしていると隣にアメリアがやってきた。

「アメリア。おはよう」
「昨日から戦闘続きだけど…大丈夫?疲れてない?」

彼女は心配そうに私を見つめてそう聞いてくれる。
なんて優しい子なんだ…


「うん、大丈夫だよ。ありがとう。アメリアこそ無理をしないようにね?もし怪我をしたらいつでも言って。私が治すから」
「ふふっ。うん、分かった!約束ね」

アメリアはそう言って笑い掛けてくれた。


彼女の笑顔は見ていてとても癒される。
まさに戦場に咲く花って感じだね…


それから進軍準備が整ったところで、ミルラのいるザールブル湿原へと向かう為タイゼルを後にしたのだった。
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