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□第三章 待ち受ける者
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「あ…エフラム様、もう大丈夫ですので…」
「もう平気なのか?」
「はい。ありがとうございます」

私は玉座の間に入る少し前で下ろしてもらった。


もう恐怖は和らいだのか普通に立って動けるようになっている。

エフラムのおかげ…だよね…


そして二人で玉座の間に入る。
そこには既に他の仲間達が待機していて、レナックとノールの姿もあった。

良かった…二人とも仲間になれて。
特にレナック…ラーチェルが見つけてくれたんだね。



「エフラム様!!」



するとそこへ一人の伝令兵がどこか慌てた様子でやってきた。
息が上がっていたため、ここまでかなり急いで来たのが分かる。

「伝令か。いいところに来てくれた。すぐにフレリアへ伝えてもらいたい事がある。実は…」


「たっ大変なんです!ジャハナにおられるエイリーク様、ヒーニアス様が…グラド帝国将軍【虎目石】と【月長石】の攻撃を受けています!」


その知らせによりこの場に一気に緊張が走る。
特にエフラムの顔が強張るのが分かった。

「エイリークが…!?」
「【虎目石】のケセルダと【月長石】のヴァルター…精強なグラド帝国軍の中でも最強とうたわれる将たちです。まさか帝都の防衛を放棄し、ジャハナへ向かっていたとは…」

敵の予想を上回る行動にゼトも深刻そうな表情をしている。


「フレリア東方面軍、ロストン聖騎士団が協力して応戦にあたっていますが、敵軍の攻勢は激しく、このままでは……」
「ただちにジャハナへ向かう!エイリークを救出するぞ」


エフラムの発言に伝令兵は驚いた様子だった。

「でっですが、今から向かってもとても間に合うとは…」



「間に合うさ。決まっている。エイリークは俺の妹だ。あいつは決して諦めたりはしない。そして俺はエイリークの兄だ。俺は決して妹を死なせはしない!」



私はエイリークを救出出来るというのが分かっているけれど…
だけど、それもあくまでゲームの中での話。
今、私がいるこの世界で私の知っている通りになるとは限らない。

…さっきの…リオンの時みたいに…


でも…でもね、これだけは信じられる。
エフラムは…仲間を、家族を決して死なせたりなんかしない。



そう、強く思うんだ。



そして私達はエイリーク達を救出するため、急いでジャハナへ向かう事になったのだった。



〜続く〜
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