12/29の日記

14:24
帯で売る、帯だけ読む
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毎年、冬休みには文春の『日本の論点』を読む。
厚くて本棚の消費が激しいのが難だが、なかなか楽しい。
結論、出さないし。


なことで、本屋と、ついでに古本屋を回った。

面白いものを目撃。

先日、変死した飯島愛の『プラトニックなんたら』が古本屋のカウンター脇に山積み。


おー、これがあれか。誰が書いたかわからんけど。
売れたらしい。

タレント。というのか。
若者よ、勉強なんかしなくたって、ルックスが良ければメシ食えるよ、の笛吹き、ネズミの集団自殺の旗持ち。の先駆者。

1980年代まで日本は『品格国家』だったけど、90年あたりからその品格が死語化しているから、「あると思います」「あるある」「ありえる」でアルティメってるわな。逆に、バカが小説書いて何が悪いんですか、の時代。


で、プラトンが人の名前であることすら知らない人々、女子高校生たちが(飯島もか)なぜ『プラトニック』に飛び付いたのか、そこだけが興味の対象。

山積みされた本。
古本屋としては値段がよい、単行本初版には、昭和からの品格が崩壊していく轟音を彷彿とよみがえらせて【帯】が付いていた。

この古本の山が、新刊として本屋のレジを通過したとき、人々は帯を見てワクワクしていたんだろうな。


『プラトニックなんたら』の帯、そのキャッチ・コピーは次の文である。

〈私の舌を入れさせて。神様お願い!〉


ふぅーん、である。


やるな、コピーライター。塚、もうそれだけで、読んだ気分になれる。


ちなみに『日本の論点2009』の帯は〈大波乱を生き抜く〉だった。

『プラトニックなんたら』の帯が〈大波乱を生き抜く〉でも良かったのだが、このあたりに、コピーライトの腕前が光っている。

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