09/03の日記

12:37
アジアと向き合え
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この20年間で日本もアジアも大きく変わった。
日本とアジアとの関係もとうぜん変わった。
私のような寿命が残り少ない人間は関係ないが、
若者たちにとって「きみたちの未来」を考えるなら、
どんなふうに激変の20年間が進行したのかを
知っておいたほうがいいだろう。

まずは貿易が驚くほど変わった。
日本の輸出相手国。

1990年
アメリカ 13.6兆円(31.5%)
ドイツ   2.6兆円
韓国    2.5兆円
台湾    2.2兆円
香港    1.9兆円

2011年
中国   12.9兆円(19.7%)
アメリカ 10.0兆円(15.3%)
韓国    5.3兆円
台湾    4.1兆円
香港    3.4兆円

なんと1990年にはベスト5に名前のなかった中国が
最大の輸出先になっている。
またアメリカの視点からいえば、
アメリカの2010年の貿易額は
対中国  4568億ドル
対日本  1810億ドル
と、2.5倍。
アメリカのお得意様はいまや中国である。
日本の最大の客も中国である。


日本はむかし「経済大国」と呼ばれたことがある。
いまは人口的にも大国ではなくなりつつある。

アジアの人口については以前の日記に書いた(7月11日)が、おさらいしておこう。

中国  13億5000万人
インド 12億4000万人
インドネシア 2億3000万人
フィリピン 9000万人
ベトナム 8600万人

日本 1億2000万人(減少中)

上の輸出先ベスト5からドイツが消えたが、
EU全体の人口は約5億人。
ASEAN諸国は6億人で逆転している。


さて、10年後、20年後の未来はどうなっているのか。
それはいま勉強している学生や就職活動している大学生に、おおいに関係がある。

課題は大きく3つある。

まず語学力はなにをめざすのか。
異文化理解はできているのか。
アジアやEUの経済を見ているか。

テレビを見てもしょうがない。
だって国内ニュースと欧米のニュースばっかりだ。
ほんとうはニュースの1割は中国の出来事であるべきではないか。

見下している?

いや、ビジネスマンは見下していない。
見下しているのは「教育」だ。

貿易のことを考えれば、日本の学生は中国や韓国、台湾について「わかんなーい」なんて言ってられない。
人口のことを考えれば、日本より大きな中国、インド、インドネシアについて「わかんなーい。ててぺろ」
なんて言ってられない。
さらにこれから日本よりも大きくなるフィリピンやベトナムについてもだ。

ベトナムのマーケットは現在、中国と韓国の企業のドル箱、やりたい放題になっている。


アジアは「おしゃれじゃない」のかもしれない。
そう言う若者が多いだろう。
国内においても農業や漁業は「おしゃれじゃない」から、
就職氷河期だとか騒ぎつつ、やろうとする若者は稀有である。


ただ、あえて言いたい。

その考え方が正しかったのは「20年前」である。

若者たちよ。「現在」を見てほしい。





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