08/16の日記

02:16
残忍な夏
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昆虫採集。

今は死語になったろうか。

夏休みは麦わら帽子をかぶって蝶々を追う。
昭和の子どものスタンダードだ。


存続すべき慣習である。時代に関係なく。

「いじめ」とか「ひきこもり」とか、評論する前に、子どもに捕虫網を持たせて野に放ちなさい。
親になれない親たちよ。


子どもは嬉々として虫を捕まえる。
神が創造したとしか思えない色彩や造形に驚く。

虫かごに3羽の蝶々と、1匹のトンボを収監して、スキップしながら家に帰る。
家につくと、かごの中にはトンボしかいない。
あれ?逃げたのかな?

しばらくして、子どもは虫かごの中で何が起きたのかを知り、
絹を引き裂くような叫び声をあげる。

蝶々はトンボに食われたのだ。


同じように、キリギリスもキリギリスを食う。


そういうことを私たち昭和に育った人間は体験してきた。

自然は残忍である。

それがこの星なのだ。






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