爆丸

□花菖蒲
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「新しい入院患者?」


「ええ。オサム君の隣りの病室に女の子が引っ越して来たの。」


桜の花がもう葉に変わり切った5月のある日。
僕は母さんからそんな知らせを受けた。


どうやらその女の子は、僕が体調が悪化して寝込んでいた三日間の間に隣りの部屋に引っ越してきたらしい。


「でも、何で突然そんなことを?」


普段、母さんはそう言った事を余り言わない。
多分、僕より後に入院してきた患者がここ数年、何人も退院してるから、と言う母さんなりの気遣いだと思う。(こういうとき、自分の病気が恨めしく思うよ。)


「その子ね…オサム君と同じ病気なの…。」


「えっ……?」


一瞬、僕の周りの全ての空気が凍り付いた。


今までに不思議なくらい、僕は同じ病気の子に遭った事がない。


だから、母さんのこの知らせに、僕は驚きを隠し切れなかった。






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