短編小説A

□ガイ様華麗に弱点克服☆
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大丈夫!


君ならできる!


……。byガイ。










ガイ様華麗に弱点克服☆










「ガイ〜v」


机を挟んだ向こう側には、にっこり笑うアニスがいる。


「な、何だい?」


意外に近いその距離に嫌な汗が流れる。

嫌な予感がする。

それを否定するかのように、カップを傾けた。


「ガイ」


背後からかかった高い声に驚き、カップを落とした。

床に落ちたカップは当然割れ、破片が飛び散った。


「触れてもいないのに、その反応は酷くありませんこと?」


ゆっくり振り返ると、腕を組んだナタリアと目が合った。


「……悪いね」


割れたカップを拾いながら、謝る。


「私、提案があるの」

「あ、偶然だね、ティア。あたしも思いついたの!」

「あら、私も」


三人娘がにっこり笑った。



『ガイ、女性恐怖症を治そう!』



「……」


こういう時に限って、ルークもジェイドもミュウもいない。

ノエルに助けてもらおうとしたのだが……。


「皆さん、ガイさんの為に協力して下さるんですよ。頑張って下さいね」


と言われてしまった。


「んじゃ、早速始めよう!」

「そうね」

「では、作戦1から実行ですわ」



(作戦1って事は、他にもあるんだな……)



「ガイ」

「……何だい?」

「あなた、緊急事態なら平気なのよね」

「……ああ」


それを聞くと、三人はいきなりジャンケンを始めた。



(……何故?)



ガイの疑問に答える者は、今ジャンケンに夢中である。

およそ五分という長いジャンケンの勝負がようやくついたようだ。


「え〜、アニスちゃんの負け〜?」

「仕方ないわ。それを提案したのは、アニスだもの」

「大丈夫ですわ。私もティアも治癒術はばっちりですから」


一体、何が始まるのだろうか。

何か恐ろしい事が起こるのは間違いない。


「では、ガイ」

「……はい」

「これから、アニスが緊急事態になりますから、助けて下さいね」

「……は?」




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