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□3Memory
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うっすらと目を開けると、ぼやける視界のどこかから声が聞こえた。


「オ…オレのこと?」


「そう」


聞いたことのある声と、聞き覚えのない声。

目が覚めたばかりだから身体に力が入らない。
俯せにしているのか、体から伝わる冷たい床の感触が気持ち悪かった。


「もし坊やが教えてくれる気がないなら、もう1人から先に聞くからいいわ。
そうでしょ?ダグ、ファング」


「しかし…」


「いいわ、別にかまわない」


声がはっきり聞こえるようになって目もちゃんと見えるようになったときに、前に落ちた影。
誰かも確認出来ないまま自分が浮いた感覚を感じると―


『―っ』


ドサッと鈍い音がして、全身の痛みが投げられたことをさとる。

「ロナ!?」


上から聞こえた金髪くんの声。

俯せに倒れた私は息を詰まらせたあと顔だけをあげる。


何で金髪くんがここに…?!


本当は立ち上がるつもりだったけど、後ろで手が縛られてるのに気づいて不可能だった。


「…ロナ…?」


『え…?』


以外だったのはピンク色の髪をしたあの女の子が、私の名前を呼んだこと。
…確かロッティって呼ばれて
た。


金髪くんを壁に寄せて私を見下ろしていたロッティが思わずつぶやいた。
しかし次の瞬間にはそれは悪魔のように口を吊り上げる。


『い…っ』


「な、おい!」


「ロッティさん!」


何の迷いもないように、彼女は私の髪を引っ張るようにして顔をあげさせると止めようとする金髪くんにケリを入れた。


「これは調度いいわ」


『なに、を…』


胸騒ぎがする中、頭の中で何かを拒絶する。
見知らぬモノが身体を支配していくようで、気持ち悪かった。







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