PandoraHearts
□おんぶ→お姫様抱っこ
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どうやらオズが風邪を引いたらしい。
私もお見舞いに行くと言ったらギルは移るから来るな!と言った。
普段は文句を言って聞かない私が、なんだかギルが少し苛立っていたのでこうやって待っているのだが。
『なぁんでアリスちゃんはギルに肩車してもらってるのかなぁ…』
ギルの部屋で待っていろとは言われたがさすがにそこまで言うことを聞けるか。
ちょっとだけでもオズの調子が分かるかと思って部屋から出てきてみれば丁度オズの部屋に入っていくギルを見かけた。
でも、その肩には不可解なものが乗っている。
それがぬいぐるみなら許せたさ、でもな…アリスちゃんじゃ許せないよ!!?
なんなんだ、なんなんだ、くそっ、くそっ、くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!
ヤケクソでギルの部屋まで猛ダッシュで戻る。
ががん!とドアを開け、部屋に入るなりどだん!とドアを閉める。
くそっ!なんだっていうんだ!
私なんておんぶしかしてもらったことないのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!
それだって私が転んで足怪我したからなのに!どういうことよぉ!!!!!
ベッドにダイブして足をバタバタを暴れさせたあとにふと考える。
おんぶ…から上行って…肩車?…なら!
そう思い立つなり私は部屋を勢いよく出た。
ドアを開けたときに誰かにぶつかった気がするけどいいよね!
そのせいで後日レイムに怒られたのは秘密だよ?
『ギルッ!!!』
そう言って勢いよくオズの部屋のドアを開ける。
あれ、ブレイクとかもいたんだ。まぁ、いい。
「おまっ…来るなって『今すぐ私も肩車しろ!』………………………、は?」
『とぼけたって無駄だぞ!さっきアリスちゃん肩車してたの見たんだから!』
そう言うとシャロンちゃんに何かのスイッチが入ったかのように「まぁまぁまぁまぁ!」と言ってきた。
「それは嫉妬ですわね!++++さん!」
『え…え……?し、嫉妬…?』
「そうですわ!++++さんは、ご自分が好いているギルバートさんがアリスさんを肩車していたことに嫉妬したんですわ!!あぁ、でもやはりお姫様抱っこのほうが素敵ですわね!もういっそこと肩車といわずにお姫様抱っこを要求してみてはいかがですか?ねぇ?ねぇ!!?」
『え、あ、う、うん?』
シャロンちゃんの言葉に押されてうん、とか言っちゃったけど別にお姫様抱っこなんてものは期待してないわけで……
ただギルは背が高いから肩車なら世界が広がるかなーっていうのとアリスちゃんに負けたような気がしただけなんだけど…。
それをシャロンちゃんに伝えるとまた「まぁまぁまぁ!」と言って近づいてきた。
もちろん私は怖くて後ずさりをする。
「アリスちゃんに負けた…その気持ちこそ大事なのです!++++さん!ギルバートさんにアリスさんよりもご自分を大事に思ってもらいたい…それこそ恋心の始まりなのです!最近は主人やザクス兄さん、弟くんのヴィンセント様などがひょこひょこを顔を出しているものですから++++さんはギルバートさんに甘えられませんものねぇ…それはさぞかし悔しいことでしょう!なら、やはり肩車といわずにお姫様抱っこを要求しなさい!」
あの、最後のほう命令形ですけど……
『い、いいよ…じゃ、じゃあ私部屋に戻ってるね!』
本当の用事はスルーで戻るよ!私シャロンちゃん怖いから!
これがあれだね、ブレイクが言ってた乙女スイッチってやつ…?
「逃がしませんわ!」
ギャース!!!!!!!!
思いっきり腕掴まれたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!
「ご自分の言葉で!さぁ!早く!」
『いやいやいや、だからいいってシャロンちゃん!オズくん倒れてギルも大変だから!』
っていうのは口実で貴方から逃げたいのです、私は…うぅ…。
「でも、そんな遠慮しては……」
『いいの、いい「はぁ、全く…」へ?』
今まで口も体も動かさず傍観していた一人のギルが突然こちらへ歩いてきた。
おい、なんだよ。まさか本当にするとか………
ひょいっ
まさかのまさかかいっ!しかも肩車じゃなくてお姫様のほうなのね!!?
『ぎ、ギル下ろせ!オ、オズくん調子悪いんだろう!私は一人で戻るか「黙ってろ」あ、はい…』
何よ、シャロンちゃんたちに見えないからってかっこつけおって…顔赤いぞ、ていていっ
部屋を出てもずっとそのままの体勢であちゃー、こりゃしばらく外歩けんわ…とあの部屋へ行ったことを後悔してみたり。
でも……なんかアリスちゃんに勝ったみたいで嬉しいね!
ギルの部屋につくなりベッドに放り出された。
『ぎゃうっ!』
顔面からダイブしたのでお鼻が痛いよ、ギル…。
ギルは私を放り出すとソファに座って頭を抱えた。
『ぎ、ギル…?』
「……〜っ///」
遠目でもわかるくらい耳まで真っ赤。
なにこの子、可愛い。いじめたくなっちゃうなぁ〜うへへ
『恥ずかしいならしなきゃいいのにっ』
「あの状態でしないわけにいかないだろっ!///」
『あーそうですねーどうせブレイクに言われたんでしょ、シャロンお嬢様が面倒臭いから〜とかってー』
枕を抱き締めてそっぽを向いて嫌味を言うと「いや、そういうわけじゃ…」と言っている。
そういうわけじゃないならなんなんだっ!、そう叫んで布団に潜った。
しばらくするとギルが近づいてくるのが分かった。
「++++…」
『なんだよっ!』
より一層強く布団を被ってはがされないようにする。
ギルはいつになってもお母さん体質なところがあるから怖い。
黙っていると思ったら突然ベッドに体重がかかった。
どうやらギルが座ったらしい、布団被ってるのも意外と怖いかも。
「++++、お前はバカウサギに負けているみたいで、と言ったな」
『えぇ、言いましたよ。それが何か』
布団を被ったまま返事をする。なんなんだっ!
「でもな、バカウサギの場合ただ背中にくっついてきただけなんだ」
『それで?』
「それで、勝手にあがってきてだな…」
『それで肩車?』
「あぁ」
『知らないっ!』
ギルが座っていると思われる方向をは逆の方向を向く。
そりゃ、お姫様抱っこよりは良かったかもしれないけど…アリスちゃんだっていくらチェインだって言ったって女の子だよ?
それなのに軽々と肩車許すとか…ギルは甘いんだよ。だから私がこんなにも悩まなくちゃいけないんだ。バカギルめっ…!
ぶつぶつと文句を言っていると突然布団をはがされた。
あ、と思ったときにはすでに遅くキスをされて……………………………………、は?
『な、なななななにしてんっ!!?』
「バカウサギに嫉妬なんてしなくてもオレはお前だけだよ」
そうギルは耳元で囁いて部屋を出て行った。
うぅ…へタレなくせに突然そういうことするから私はあんたから離れられないんだ。
おんぶ→お姫様抱っこ
(あらぁ…ギルバートさんって以外と積極的でしたのね…)(あのチビがここまで成長してるとはねぇ〜…)
(ギル…の彼女さんって我が儘だったんだ…)((!!?、今更…!?))(かのじょってなんだ?)
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アリスの最後の発言でシャロンの乙女スイッチがもう一度ON!されたのでしたとさ。
ノベルの1のほうでアリスがギルに肩車してもらっていて「あぁ、いい景色見れて良さそう…」と友人に言ったら、「でも、あれだよね…足…あの…ね」と言われました。
そこ気にしちゃダメだろ、とツッコミました。ギルに彼女がいた場合こんなになるんでしょうかね( ´_ゝ`)???