PandoraHearts

□愛情表現がちょこっとだけ下手なんです☆
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『エリオットー!とりゃー!』


叫び声と共にエリオットを襲ったのは飛び蹴りでした。


「いってぇんだよ!バーカ!」


今日も幼馴染の二人は健康的且つバカやってます。by.リーオ


これは僕が体験した、(自称)愛情表現がちょこっとだけ下手な彼女とそれをまともに受けながらも彼女を愛してしまう彼のお話です。




























『エリオット、エリオット!』


「なんだよ、うるせぇうぼあっ!!!」


エリオットが返事すると同時に++++がお見舞いするのは右ストレート。
僕から見てもこれは痛い。


「バカか!殴るな!」


『いいじゃないかー!』


そう返事をしながらエリオットの頬にすりすりと自分の頬を押し付けて猫を愛でるかのようにエリオットを可愛がる++++。
これが幼馴染でなければどうなっていたか…想像するだけで怖いや。






別の日…


『エリオット!エリオット!』


「なんだっ…!!?」


廊下を歩いていると後ろから++++の声が聞こえてきたので振り返ると同時に++++はエリオットを蹴り飛ばしました。
多分…鳩尾はいってると思う…うん。


「おまっ…ぐぅ…」


『やーん!エリーぐぅ…なんてかわいいぃー!』


そう言ってエリオットを抱き締め容赦なく頬ずりをする++++が悪魔に見えました。
でも、そんな++++の目はいつでもハートマークです。





また別の日…


『エリオット!エリオット!』


「………」


『エリオット!エリオット!…エリー?』


「………」


どうやら下手な愛情表現が嫌になったらしいエリオットくん。
今度は無視を始めました。


『エリー、無視すると++++泣いちゃうぞ…?』


++++は本当に今にでも泣き出しそう。
でもエリオットは無視してる。


『…エリオット!無視するなぁ!』


なんともまぁ横暴な言い方でエリオットを蹴り飛ばした。


「いてぇよ!」


『返事しなさい!でも可愛いよ!可愛いよ、エリー!』


そういうと++++は今日もエリオットに容赦なく頬ずりをしています。
ここまでくると愛情表現の基準ってなんだろうと思い始めました。






またまた別の日…


「++++、あのさっ!!?」


エリオットが++++に話しかけるなり鳩尾にパンチが一発決まりました。


「…〜っあぁ…う…」


『エリー可愛い!やだぁ〜!!!//』


そういって頬を赤らめうねうねしてる++++はもう地獄の魔王なんじゃないかと。
エリオットもよくこの愛情表現に耐えられるな、と最近尊敬してきたよ。ここだけね。




























「ねぇ、エリオット」


「あ?」


あまりにも疑問に思ったので聞いてみることにしました。
でも、エリオットはすでに++++に愛されて今日もボロボロ。


「どうしてエリオットは++++の愛情表現を叱らないの?」


「え…あぁ…昔からあぁなんだよ…」


そういうとエリオットはまだ自分たちが12歳だった頃の話をしてくれた。


「いつからかはわかんねぇけど、蹴ったり殴ったりするのがあいつなりの愛情表現になってたんだよ」


「きっかけとかないんだ」


「…ヴァネッサが何か叩き込んだかもしんねぇけどそれ以外には何も。」


あぁ…お姉さんか。
あの人なら++++に何を叩き込んでいてもおかしくないね、確かに。


「だから、エリオットは耐えるの?」


「ん?違う違う、そういうわけじゃねぇよ」


「え…ドMだったの…知らなかった…」


「ちげぇーっつの!!!!!!その…だな、++++は愛情表現が下手なだけなんだよ」


「え…?」


「昔はこうじゃなかったんだけどな」


そういい弱々しく微笑むエリオットを見てエリオットもエリオットで++++に甘いんだと思いました。






愛情表現がちょこっとだけ下手なんです☆
(昔は人前でも堂々とちゅー!と言ってキスをしてきたりしていたらしい)
(その時と比べればまだ今のほうがましだ)(そう言ってエリオットは今日も++++からの愛を受け入れる)
(++++もエリオットも愛情表現の仕方がずれているのかもしれない。)




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愛情表現が暴力っていうのもちょっと可愛いな…と。
なんかこう常識から飛ぶとアリスが連想できちゃって困りますな…アリスじゃないのにー!

 

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