PandoraHearts

□こんなの嘘って言って
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首狩り―
私は貴方が大嫌いよ、だって私からすべてを奪ったのだもの。
何が…ハンプティダンプティよ…何がっ!なにがっ!



"オレは、お前を残して死なない。この剣に…誓う。"



そう言ってくれたエリオットの顔は自信に満ち溢れていた。
あぁ、もっと早くに気付くべきだった。もっと、もっと早くに…!


クロード様やアーネスト様が殺された時点で気付くべきだった。
しかも…ヴァネッサ様も死んでしまった。首を…狩られた。
私にとっては実の兄や姉のような人たちだった。幼い時からエリオットの許婚とされて…別に苦なんてなかった。
だって、エリオットの周りの人たちはいつも私を可愛がってくれた。だから苦なんてなかったの。
だからこそ!いつか恩を返したいと思っていたのに。どうして…どうしてっ!どうして…!



"あまり外をうろつくなよ、あと服の見立てはヴァネッサよりメイドたちのほうがいいだろう"


フレッド様…あまり私には干渉なさらなかったけれど、影ではいつもメイドたちに私を守るように言ってくれていたのですね。


"今日も来たのかい、++++。エリオットなら自室だよ"


クロード様…私が悩んでいた時はいつも救いの手を差し伸べてくださった。



"まーたエリオットか!この小娘っ!このこのこのこのぉ〜"


アーネスト様…高貴なナイトレイ家の子息だというのに気取らないその性格。私はいつも貴方を頼っていたのかもしれない。



"妹が出来たみたいで嬉しいわぁ〜…ふふ、エリオットより可愛いわね、++++…"


ヴァネッサ様…実の弟のエリオットよりも私を可愛がってくれた、悩む時はいつも隣にいてくれた…大好きな人だったのに…!



みんな共通して言えるのが、私が様をつけて呼ぶと様なんて他人行儀なことはやめてと言われた。
でも、私は決してナイトレイの人間ではない。だからなかなかお呼びできなかった。
けれど、最近やっと呼べるようになったのに…アーネスト、ヴァネッサ、と。
さすがにクロード様たちは呼べなかったけれど…やっと…近づけたのに…!



『ああ゛アアアアあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


目の前に広がる赤の海。
その中に浮かぶ私のよく見知った顔。私の大好きだった人。
なんだかんだ言って私が本当はナイトレイの許婚を嫌がっているんじゃないかと心配までしてくれた人。
聡いくせにバカで、プライド高くて、髪の毛変な癖ついてて、ナイトレイ家唯一の猫好きで…孤高で…強かった、私の愛した人。



ハンプティダンプティ…許さない、絶対許さない。
チェインだとかそんなこと気にしない、とにかく私はあいつを許さない。
エリオットを…エリオットを苦しめた奴を許さない、絶対に。








《過去をかえたいか》







その一言は私にとっての救済だった―













こんなの嘘って言って
(まさかハンプティダンプティとエリオットを契約させたのがリーオだったなんてね…)
(なんていうか拍子抜けよ…それに私、リーオを殺せる自信ないもの。)(あの悪魔の囁きが救済だなんてバカみたい)
(つまり私は、この刻印が一周するときを待つのみ)(エリオット、私もすぐにそっちへ行くわ)





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漫画読み返したら15巻マジで涙出そうになって…
しかも、小説(2のほう)読んでエリオットとリーオが最初にバスカヴィルに出会って、オズたちと色々あったところの前後らへんの話だったらしく…
中編読んだ瞬間涙出ました。それに13,14,15,16巻あたりを重ねるともう涙我慢できません(☍﹏⁰)
いつからこんなに涙腺弱くなったんだろう…全部エリオットのせいだー!ばかー!


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