PandoraHearts

□雨と傘と君と
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久しぶりの休日を楽しむべく街へ出てきた。
色んなお店を見てまわって、ちょっとだけケーキを食べすぎちゃったりしたけれど充実した1日だった。
なのに…どうして最後の最後に私の大嫌いな雨なのっ!!?



朝の天気予報では雨が降るなんて一言もいってなかった。
もちろん、天気予報に頼ってばかりの私は傘なんて持ってきてないわよ?
あーあ…どこかで傘でも買って帰ろうかしら…。


でも、少ししてその考えはすぐに吹っ切れた。
きっとあの人が迎えに来てくれるわ!私はそう信じてるものっ!






























仕事の合間にふと外を見れば雨が降ってきていた。
そういえば、オレが仕事でついていけなかったが++++は街に出かけているはずだ。
玄関が開く音もしなかったし、ただいまの声もないところを見るとまだ外にいるんだろう。
…傘、持っていったのか?心配だから迎えに行くか。
もしも持ってたら手荷物になるのであえて傘をオレが差す分しか持っていかないが。






少し急ぎ足で++++がいるだろうと思われる店を回った。
これで最後の店…ここにいなかったらもうオレは++++を見つけることが出来そうにないぞ。



―カランコロン


ドアを一押しして開ければ毎度の如くいらっしゃいませーと言われる。
一番奥の席を見て一安心。やっぱりココにいた。


「++++!」


++++を呼びながら席へ近づいていく。
席の前まで行けば紅茶を置いて、迎え遅かったわね?、なんて。
オレはお前の従者じゃないんだぞ…まったく、困った奴だ。


『少しお茶して帰らない?懐かしいでしょ、ココ』


「そうだな…」


そう言って++++の正面のイスへ座る。
コーヒーを一つ注文して傘をテーブルへとかける。


『ココで私達出会ったのよね…あの時はまだ相席式だったものね、このお店』


「そうだな、もう二年も前のことだけどな」


二年前、たまたま相席になったオレたちは何故か会話が弾んでそのままの流れでいつの間にかくっついていた。
どうしてそういう結果に至ったのかは分からない。きっと++++も分からない。


それから自分が仕事の途中だったということも忘れて久しぶりに++++と色々な話をした。
++++もまたパンドラの人間でなかなか休暇がもらえない。
部屋に戻ってきてもすぐに眠りについてしまう、きっと毎日ヴィンスの近くにいるからだろう。
疲れとヴィンスのチェインの力が影響しているように思えてならない。


『あー…たくさん話したわね。雨、やんだみたいだし帰らない?』


そして、オレたちは傘を持ち帰路に着く。
傘、持ってきたの無駄だったか?




雨と傘と君と
(私とあのお店が揃えば二年前のあの日を再現できるわね)
(貴方は覚えてないかもしれないけれど私は覚えてる)(あの日も今日みたいな土砂降りの日だったわ)
(それは私達だけの思い出。さぁ、ギルバート…貴方も思い出して?)




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うーん…これは何に部類されるのだろう?
ジャンルが全くもって迷子である

 

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