PandoraHearts

□お試しは是非ともエリオットで
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ある日、学生寮に帰って机上を見ると一通の手紙があった。それはシャロンちゃんからだった。
…ついでにその隣にハリセンがあった。ブレイクをばっしんばっしん叩いてるやつだよね、コレ…。
とりあえず手紙を読むことにした。


〜こんにちは、++++。
 なかなか++++はこちらへ顔を出してくださらないので寂しいですわ。
 私は毎日毎日++++が変な輩に絡まれていないか心配な日々を過ごしています。
 なので、護身用にハリセンを送らせていただきましたわ。
 ブレイクが++++の甘い甘いお菓子がないとぶーたれていたのでもしかしたら突撃するかもしれませんわ。
 その時は遠慮なく送ったハリセンで尻なり脳天なりどこでも叩いてやってくださいませ。
 長期休暇に++++が帰ってくることを楽しみにしていますわ。


 …ハリセンの威力を試せる素敵な男性がいらっしゃると私は嬉しいですわ。

 シャロン=レインズワース〜



…変な輩というよりも…毎日毎日沸点低い八重歯貴族には絡まれますけど。
このハリセンは護身用というよりもブレイク撃退用な気もしますよ、シャロンちゃん。
まぁ、いい。この際だ、あいつにこのハリセンの威力を見せてやろうじゃないか。
あの沸点低めの八重歯貴族野郎に。





















『やぁ、おはよう。エリオットくん』


にこやか笑顔で話しかければ気持ち悪い、と一掃された。
くそっ、お前絶対大人になって女性に気を使えないタイプの貴族だろ。こいつの将来の嫁さんの面を拝みたいもんだね。
あぁ…でもやっぱり嫌かも。その意味…分かるよね?


「ミス・++++=****おはよう。」


『おはよう、リーオ』


リーオはいい子だよね、毎日毎日…うぅ…この八重歯貴族を見てるとやたらそう感じるよっ!!!


『おい、エリオット』


「なんっ!!?」



パーンッ!!!!!



「っつぁ〜…」


おぉ…威力すげぇ…こりゃブレイクも血を吐くわけだわ…。
エリオットのほうを見れば薄っすらと目尻に涙を溜めて痛みを耐えているようだった。
リーオはその背をさすりさすりしていたが若干口元は緩んでいた気がする、こいつドSだろホントは。


「てめぇ…!」


『うわわぁ…ご、ごめんなさいっ!』


それだけ言うと教室の扉のほうへ駆けていく。
と同時に誰かにぶつかった。
ごめんなさいっ、と言いながら上を向けばそこにはブレイクのいつもの笑顔が。



『え…』


「お嬢様もご一緒ですヨ♪」


と笑顔で返されたのでブレイクの後ろを見ればシャロンちゃんがふるふると拳を強く握っている。


『しゃ、シャロンちゃんっ!』


そう言うと同時にシャロンちゃんが叫びだした。


「変な輩がいないかと心配すれば大丈夫でしょうとブレイクが言うものですから心配しつつもこちらには来なかったというのに…
いるではありませんか!ブレイクっ!」


「はは、予想外ですヨ〜よそうがっ…」


パシーンッ!!!!!!!


出ました、シャロン=レインズワース特製ハリセン。
おいくらするかは分かりませんが、ブレイクには効果抜群のご様子です。


『ぶ、ブレイク…!』


「++++、気にしなくていいですわ!それよりも貴方!」


そう言ってシャロンちゃんは思いっきりエリオットを指差した。


「ここは四大公爵家という身を弁えますが、もし私がレインズワース家の者でなければ貴方は処刑ですわよっ!」


「はぁ!!?」


意味が分からないといった顔つきの八重歯貴族、エリオット=ナイトレイ。
そりゃあ…四大公爵家同士が喧嘩したなんてなったら大変なことですものねぇ。


「オレはそいつに頭叩かれてっ!」


「++++にとって貴方は変な輩ということでしょう!ブレイク同然!」


いや、シャロンちゃん。そんなことはないんだよ…。
ただやたら絡まれるから日頃の恨みを晴らそうと…あと、ブレイク対策に練習を一発と…。。。


「…それよりも++++」


『はいっ!?』


きゃあ、急に名前呼ばれたから声が裏返ったじゃない!シャロンちゃんの馬鹿っ!


「…まさかとは思いますが、」


そこまで言ってシャロンちゃんはこそこそ話をする程度の音量で耳元で話してくれた。


「この方が以前手紙に書いてあった好きな方…ではございませんよね?八重歯と沸点低い部分が…」


『あ、予想の通りでございます…』


前、手紙に書いた私の初恋の人っての覚えててくれたんだ。
なんか嬉しいなーうへへー


なーんて思ってるとシャロンちゃんはブレイクを引きずり起こして思いっきりエリオットに向かって投げつけていた。



『シャロンちゃんっ!!?』


「貴様がナイトレイ家の嫡子でなければ決闘を申し込んでいたのにっ!
あぁ、これは決められた運命ですのね…あぁ!こんな辛いことはありませんわっ!」


シャロンちゃんの乙女スイッチON!されましたー
まぁ、エリオットはブレイクと激突して目回してるし、もう収拾つかないので今日は帰ろうかな。





お試しは是非ともエリオットで
(後日、私が再び八重歯貴族を口論をしたことはいうまでもない)(いったいいつになったら私の気持ち気付いてくれるの?)
(私の初恋の相手は沸点低めの八重歯の男の子)(キレやすいけど、優しいところもあるのよ?)




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ギャグ…?なの?わかんないʅ(´◔౪◔)ʃ
シャロンちゃんはいつだって女の子の味方なんだって思ってます(`・ω・´)
おそまつっ!


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