PandoraHearts

□君を振り向かせるマニュアル
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図書室…


なんだか暇で借り始めた…聖騎士物語?ってやつがなかなか面白い。
最新刊まで読んでしまうとは…この私をハマらせるなんて大したものね、この本。


本があった棚の前へ行くと二人の男子の姿があった。
なにやら言い合っているらしい。



「また新刊ないね」


「お前が借りてからなくなったんだぞ!」


「わー横暴だなー」


「てめっ…!」



よくよく見れば隣のクラスのエリオットとリーオだ。
いつにも増して沸点の低いエリオットはリーオにあたっているらしい。



(ナイトレイの嫡子ともなると偉そうになるってことかしらねぇ〜)



なんて、呑気なことを考えながら聖騎士物語の最新刊まで一気にぽんっと棚に戻して次は何を借りようか探しに行こうとした瞬間…



ぱしっ…



思いっきり腕を掴まれた。
いてぇな、こんにゃろー…って言ってやろうと思ったけどエリオットのこちらを睨む顔を見たらいえなくなった。
私、君に恨まれるようなことしたかしら?、そう聞いてやろうにも相手が黙りこくっているのでなかなか口を開きづらい。


「あの、さ…」


おぉ、口を開いた。


『なに?』


あ、お嬢様口調が…
まぁ、そんなの私の本性じゃなくてお父様に言われてやっていたことだから大して気にすることでもないけれど。


「お前も、聖騎士物語…好きなの?」


心なしかそう言ってくるエリオットの頬が少し赤い気がした。


『そうねぇ…好き、といわれれば好き、かな?』


そう言えばへ、へぇ〜…なんて。
いったい何がいいたいの、この人?


「つまり君と聖騎士物語について話したいってことだね」


「あっ、リーオっ!!!!」


『…ふーん。』


「あり?興味薄い?」


「おいっリーオ!やめろ!」


「はーいエリオットは黙っててー」


「ぐふぅっ!!!」


あ、本が…


リーオが後ろにいたエリオットに向かって投げつけた聖騎士物語の最新刊は見事にエリオットの顔面にヒットした。
そのまま倒れこんで脚をひくひくさせて今にも力尽きそう。


「それで次に借りる本とか決まってるの?」


リーオにさらっと聞かれたのでどう答えようか少し悩んだけれどすぐに答えは出た。


『エリオットを振り向かせるマニュアルを探そうかと』


そう言えば、そう頑張ってねー、と言ってリーオはエリオットを引きずり聖騎士物語最新刊を手に去っていってしまった。
嵐のようなナイトレイコンビはこうして去っていったのである、完。





君を振り向かせるマニュアル
(もう振り向いてるっつーの…)(そうだねー)(なっ、勝手に聞いてんじゃねぇ!)
(リーオに引きずられながらも頬を紅く染めるエリオットであった、完)




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エリオットはかなーり前から夢主のことが好きだったという裏設定。
エリオットがエリオットなのか不安…はわわわわわわ…。。。

すぺしゃるさんくす→確かに恋だった


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