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□fourteen
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ベンチの上で,本を読んでいた.ただそれだけだった.
晴れた日は,日当たりの良い白いベンチに座って,マザーの部屋からこっそり拝借した本を読む.これが私の日課であった.
部屋や広間に居ると大体の確率で邪魔をされるので,ここが1番適格なのだ.
いつものように私が本を読んでいると,足音がして,見てみればシンクがいた.
シンクはそのまま私の隣に座り,何の変わり映えもない,草や,木や,花を眺めていた.
少しすると,シンクが口を開いた.
「トレイ,キスしようよ」
fourteen
始めは,ただ唇を触れ合わせるだけの簡単なキスであった.事実私達はまだ幼い為,それが1番適切だったのかもしれない.
だけど気付いた時にはもう遅かった.
回を追うごとに唇を重ねるだけでは物足りなくなり,それはだんだんとエスカレートしていく.
拙いながらも舌を追い,求め,食むようなキスへと変わっていった.
最初にしだしたのはシンクの方だ.私ではない.
唇を重ねるだけのキスのあと,シンクが私の下唇を食むようにしてきたのが始まりである.
今ではそれでは済まないほどになっているが.
「ん…ふ……んんぅ…」
「ん……ん……」
「んん……ん…ふ…っ」
くちゅくちゅと舌を絡ませながらするキスは,これまでに味わったことの無いような感覚で,頭がどうにかなってしまいそうだった.
唇の端から液体を溢れ出させるのはいつだってシンクの方であった.無論,それはどちらかのものなんて分からないけれど.
私の袖口を引っ張りながら,目を瞑って必死に舌を動かしている.
誰かに見られたら,なんて心配はしたことが無い.
なぜなら普段からここを使うのは私だけだからだ.突然誰か来るなんて,まずあり得ない.
そうでもなければ,こんな事,しないだろう.
「んん…っ…ん……っふ」
「ん…ん…」
「ふ………っ……ん…っ」
シンクは何を思って今私とキスをしているのだろう.
私達は恋人同士ではない.家族や,兄弟なんて言葉の似合う間柄だ.
私は,そんな妹のような女性にキスをしている.ドキドキしている.欲情している.
キスだけでは物足りない.舌を絡ませるだけでは物足りない.
触れたいのだ.シンクに.
このスカートの下に履いている下着の下に手を滑りこませて,弄って,ぐちゃぐちゃにしてしまいたい.私の事だけを考えさせたい.
でも私の腕はいつでも彼女の腕にある.
惜しい,と思いながらも唇を離すと,ツ,と透明な糸が引いて切れる.
シンクは私の胸に顔をうずめ,言った.
「……………もっかい」
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中2なトレシン.
いけない事してる気分なトレイさんでしたー
20120202