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□あえて名前を付けるなら
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戦争だろうがなんだろうが,私もれっきとした思春期の男子である.




あえて名前を付けるなら




誰だって自室に入って自分以外の誰かがいたら驚く筈だ.今私はその状態にある.
私が毎日使っているベッドの上では,そこの隣にあったであろう本を読む彼女は,部屋に入った私にに気がつくと本を置いて「おかえりー」と気の抜けるような声を出した.


「………どうして私の部屋の私のベッドの上で私が昨夜読んでいた本をあなたが読んでいるのですか,シンク」

「えぇ?大丈夫だよ〜.しおりは抜いてないからね〜.」

「そういう問題じゃなくてですね,なぜあなたがここに居るのかを聞いているのです」


ベッドの上でうつ伏せになりながら足をぱたぱたと上げ下げする彼女はどこかとても嬉しそうで,また本に手を伸ばした.
本当は靴や靴下を履いたままベッドに乗っかられるのは嫌であるが,彼女には何度も注意しているのにすぐ忘れるのでもう諦めていた.
その足が1つ,2つ,揺れる度にスカートの間から下着が見えそうになる.

彼女の下着は既に何度も見ていた.
決していやらしい意味ではない.彼女があの鈍器を振ると見えるのだ.私だけが見ているのではないだろう.

足が揺れる事で彼女の太腿の見える範囲が広がったり狭まったりする.
それは私にとってみれば,下着が見えることよりもいけない事に思えてしまう.
白くて細い太腿が,見えては隠れる.
これではまるで私が変態のようではないか.まあ,半分くらいはあっているだろうけど.

そんな邪心を取り払うように,私は口を開いた.


「………それ,面白いですか?」


彼女は本を閉じてこちらを向く.


「うーんとね………よく分かんない」


大方そんな所だろうと思っていた.でないと彼女がそうやって本を読む意味が見いだせない.


「分からないのに読むのですか?」

「うん.トレイの好きなものは私も好きになりたいなぁと思って」


それは.
以外な答えであった.彼女がそんなことを言うとは.


「本当にそう思ったのですか?珍しい」

「…………多分」


多分とは.彼女の正直者ぶりは素晴らしい.

私がくつくつと笑うと,彼女も笑った.


「トレイは座らないの?」


私は部屋に入った時からずっと立ちっ放しであった.
私の隣に座りなよ,と彼女は起き上がり,あたかも自分の部屋かのように自分のすぐ隣をぽんぽんと叩いた.
苦笑しつつも隣に座ると,すぐに彼女の頭が私の肩にもたれかかってきた.
彼女の触れた所が,みるみると熱を持ったように熱くなる.
らしくもなく妙に照れて,私は肩から溶け出してしまいそうだった.


「……どうして私の部屋に居るんです?」


そう問うと,彼女の頭がもぞもぞと動き,くすぐったくなる.


「…んーとね,ほんとはクイーンの所に行きたかったの」

「そうですか」

「でもそしたらクイーンは勉強してて,他をあたってください,って言われたからさがしてみたの.
そしたらさ,エースはチョコボの所にいて,デュースはナインに怒ってて,ケイトはセブンとリフレにいて,エイトはたんれんしてて,ジャックは見つからなくて,キングとサイスは遊んでくれないから,しょうがないからトレイの所に来たの」


………つまり私はただの暇つぶしなのか.


「でも,トレイのとこ来てよかったぁ.トレイ,優しいもんねぇ」


彼女はますます私に体重をかけてきた.けど,あまり重くはない.


「眠いねぇ.寝てもいーい?」


私の返事を聞く前に,彼女は眠ってしまった.早い.

私の隣で眠ったのはいいけれど,この熱くなった何かをどうにかしてほしい.


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シンクの口調でかなり悩んだ.
トレシンらぶです.今1番美味しいCPです.
トレシン書きさん増えろー!!
20120201

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