小説集

□消えてしまっても
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僕にはとても大切な人がいます
恋愛的な意味じゃないですよ?

その人は僕に居場所をくれました
その人がまさか・・・



初めて会ったのはネットでのチャットがきっかけでした
ホントたあい無い話をしてお互い意気投合したのがきかっけです
共通点は同じアニメが好きで朝日が上り始める頃まで騒ぎ明かしたりもしました
僕にとってネット世界に入ってから一番最初に出来た友達です

毎日話すうちにお互いのハンドルネームを教え合い
夜に電話をし合いました
あの頃は本当に楽しかった

その人をはじめたくさんの人と出会い
いつしか僕たちは仲のいい4人グループができるほどまでに
ネット内で仲良くなりました

でもトラブルもありました
ある理由がきっかけで僕はその人から距離を置こうとしました
実際その人のチャットルームにもいかなくなり
ずっと話さない、会わない時期がありました
もう一生会うことはしない
さよならするんだ
自分の中でそう決めてもう2度と会わないようにしてました
でも、そんな僕のことをあの人は・・・
勝手に離れていった僕のことをあの人はずっと待ってると
寂しがってると言うのを人伝いで聞きました
その時僕は胸が張り裂けそうで、会いたいと思いました。
でも、会うのが怖くてやっぱり合わないと思ったんです
そんな気持ちを知ってか知らずか教えてくれた人はこういったんです


「君、朱雀っていうハンネでしょ?その記号で君のこと探してる人いるんだよね」
「・・・えぇ、僕のハンネは朱雀ですが・・・探してる人とは誰のことですか?」
「やっぱりね。秋赤音ってハンネの人知ってるでしょう?そいつが探してるよ。前にチャットで話した とき君のこと言ってからね」
「・・・人違いでしょう。」
「ま、人違いでもいいよ。ここに行ってあげて。会いたいんだって。会ってあげなよ君にとって大切な 人じゃないのかい?何があったかは僕は知らないけど行ってあげて・・・多分君がいかなくなってか らだと思うけどずっと元気ないんだよ・・・・ため息ばっかりつくしさ。」


この会話がきかっけで僕は会うことを決意して
離れた理由、僕の気持ち・・・
相手の気持ち、これからのことを話しました
僕の思い違いだった事が分かりました
これからも仲良くして欲しい
もういなくならないで欲しいと言われました
そのチャットのレスを見たとき僕は本気で画面前で泣きました
勝手に離れた僕を許してくれてしかもこれからも仲良くして欲しいだなんて
嬉しさと自分の弱さに涙が止まりませんでした
その時にメールアドレスの交換をしました
「もしまた君がこなくなってもメールがあれば話せるだろう?ま、気がむいた時でもいいよメール頂戴 嫌なら登録しなくてもいいけど」
僕はこれに泣きながら
「喜んで登録させてもらいます。もうこないだなんて・・・また来ますよ。それにメールだってしますよ。 アッキーは僕にとって初めて出来たネット内の友達ですし嫌なわけないですよ」
と打って自然と画面前で笑っていました。

それからはお互いチャットにいけなくなる日が多くなりメールのやりとりする日が増えました


あれからかれこれもう3年が経ちます
知り合ってから今日まで
お互いに泣いて励まし合って笑い合いました
メールのできる日がすごく楽しくって
話ができることに喜びを感じて
遠く離れているのに近くに感じました

でも、そんな思い出もあなたは忘れてしまうんですよね
なかったことになってしまうんですよね

昨日事実を知ったときもう涙が止まりませんでした
何も知らないまま、あなたがどんなに苦しんでいたかもわからないまま
ホントは話して欲しかったです。でも話さなかったのはきっと優しさなんでしょうね
今もその事実を考えると涙が溢れて止まりません

最後にあなたとメールした時あなたはこう言いました
「またメール、頂戴よ。待ってるから」
この約束も果たせないままあなたは消えてしまう
分かってはいるんです、僕のわがままだってこと
でも、ホンの少しの奇跡が起きてくれるのなら
その約束を果たさせて欲しい
忘れないで欲しい

でもそれはあなたにとっては苦しませるだけの願いだってことも頭じゃわかってます
でも、なかったことになってしまうのはすごく悲しい
あなたの中の僕たちとの思い出が消えてしまう
僕は、心が折れてしまいそうなくらいその事実が重くて
いっそこれが夢ならいいのにと思いました
夢で起きた時にはまた前のような日々が続けばと
浅はかな願い、叶うことのない願いですけどね
でもこれが現実で受け入れなければないことで
受け入れなかったらそれこそあなたを拒むことだと分かりました

もうメールも届きません
チャット出会うこともなくなります
次に会う時、僕のこともみんなのこと忘れてしまっていたのなら
僕が、僕がその分覚えておきます
アッキーが僕たちのこと忘れてしまっても
今までのことなかったことになってしまっても
いちからのスタートになってしまったらまた親友になれるまで
アッキーが僕のこと信じて探してくれたように
あなたの中の僕が消えてもきっと元のようになれると信じて
僕はあなたと向き合います

消えてしまっても
僕はずっとあなたの親友であり続けます
それが僕の・・・朱雀の決意です
アッキーから離れてしまったらきっと僕はどこかで後悔する
それに僕は朱雀様だから絶対アッキーから離れないよ

あなたの中で僕が消えてしまっても
僕の中では消しません
誰がなんと言おうとも
だって僕にとってあなたは 特別な親友だから



元気に戻ってきてください
たとえ僕のことがわからなくなっていても

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