小説集
□仕分けを・・・
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
今いるのがリアルなのか偽物（ネット）なのか
それすら区別がつかないのなら
いっそ存在ごと消えてみる？
今居る場所がリアルなのか偽物（ネット）なのか
それすらわからないなら
いっそ灰にしてみちゃう？
さぁさぁ並べ
右はリアルだ左は偽物（ネット）だ
今の時間は右かな
でも存在はネットかな
どちらを消すかはキミ次第
どちらを残すかはキミ次第
僕に選択肢なんてものは存在しない
だって
僕がいることすらわからないんだからさ
だから、仕分けをしよう
楽しい楽しい仕分けの時間さ
ためらうことなんて何一つない
だって絵空事だろう？
あんたらから見たら僕なんて
ただの遊び道具で
使い捨てみたいなものなんだろう？
居てもいなくてもいいような
そんなもんなんだろう？
だったらさっさと仕分けてよ
右はゴミ箱
左は焼却炉
さぁさぁ並べよ
一瞬で終わるからさ
ここはリアル？それとも偽物（ネット）
もうどっちでもいいやだってどうせ
僕は存在しようがしまいが
どうでもいい存在なんだからさ
今の自分に居場所はない
なんて思ってる君は
儚くてほっとけなかった
「僕は存在しようがしまいが
どうでもいい存在なんだからさ」
私にとっては
どうでもよく何かないんだよ
君は私にとってかけがえのない存在なんだから
だからそんな顔しないで？
そんなこと言わないで？
もしも君が笑ってくれるなら
そんな仕分けさせないよ
もしも君がいらない存在なのならば
私が必要としてることを分かって
だから私は
新しい「仕分け」をするよ
あれ・・・おかしいな
右に行ったのに一向に僕は消えやしない
左に行ったのに一向に僕は落ちやしない
なんで？どうして？
あるのはなぜか
暖かな寂しげな
君の存在
なんで泣いているんだよ？
なんでここにいるんだよ？
戸惑う僕に微笑みながら泣いている君が・・・
「一緒に帰ろう」
と僕を現実に引き戻し
泣きながら僕を叱ったんだ・・・・
自分をいらないとか
自分は必要ないとか
そんな馬鹿げたこと言わないでと
悩んでるなら聞いてあげるから
一人なんだとか思わないでと
消えてしまうとか思わないでと
その時まで気づけなかった
ごめん それしか言葉が出なかった
さぁ仕分けをしようか
幸せと不幸を
今を幸せとするならば昨日までの僕は不幸だ
さぁ、仕分けを・・・・