ELEAST〜神獣〜
□第三部 invasion〜侵食〜
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2034年12月
ドーバー海峡
『OK!そのまま引き上げて!』
パリ支部の採掘船が、海底から何かをクレーンで引き上げようとしていた。指揮しているのはパリ支部司令官に就任したジャック・ヤコルだった。
『ヤコル司令官。対象の解析が終了しました。』
『それで、これは一体何だ?』
『種類は断定できません。しかし、間違いなく神獣です。』
『そうか…………』
やがて、海の底から巨大な岩塊が上がってきた。岩塊からは、何かの骨のような物が見えた。
頭の部分は、はっきりと神獣だと分かる。龍の頭のような骨だ。
『これは…………』
『ヤコル司令官、どうします?』
ヤコルはちらっと後ろに目をやった。そこには車椅子に座った老人と、若い女性がいた。
『本部に運ぼう。すぐに輸送船に乗せるんだ。』
『はい………』
『ヤコルさん。』
老人のそばにいた女性がヤコルに寄ってきた。
『隠し事はできませんよ。あなたの処分については後ほど。ね。』
『チッ……………』