ELEAST〜神獣〜
□original〜創造者〜
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2037年1月
都内のとある墓地
「…………」
毎年この時期になると、ここに墓参りに来る人物。いつもと変わらず、花と線香と水を持ってきている。
「ん?」
目的の墓の前に誰かいた。こんな事は初めてだ。男はその人影に近づく。
「やはりあなたでしたか。」
立ち上がり、こちらに振り向いたのは、相太だった。そして、今墓参りに来たのは天王洲だ。
「毎年、僕より先に墓参りを済ませているのが誰なのかと気にしていました。ま、僕以外には天王洲さんしかいないと思っていました。」
「あれから5年も経つのだな……」
相太が墓の前から退き、天王洲が一通りの墓参りを済ませた。
「…………食事でも行かないか?毎年行っている店があるんだ。」
「お言葉に甘え、ご一緒させていただきます。」