ELEAST〜神獣〜
□揺れる心〜隆太の場合〜
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「隆太、話聞いてやるから、何があったんだよ。」
「ホラ、昨日俺のバイクが壊れたって話したやろ?だからな、今日は電車で来たんや。」
「あの満員電車によくお前が耐えられたな。」
「耐えられへん!しかもな、いきなり急ブレーキかかってん!どこかに捕まらんとアカンねん。」
「で?」
話が見えてきた。
「で、俺の手の先に何があったかっちゅうとな、夏美の胸や……」
「あっそ。」
徹にしてみたら果てしなく下らない話だ。そんな事でケンカとは……
「でも、満員電車の中でそれは仕方ないんじゃ……」
夏美も洋子と一恵に話していた。
「それだけなら私も許したわよ!けどね、駅から出た所でアイツ何て言ったと思う?」
『ねぇ。』
『ん?』
『さっきのアレ、謝んないの?』
『しゃあないやろ……あれで回避すんのは……』
『だって……あんな風に……』
『まあそんなムキになんなや。減るモンとちゃうやろ?』
『なっ……』