Godzilla seriesF
□ゴジラ Another origin
2ページ/112ページ
2034年
小笠原諸島近海
「参ったなぁ……」
一隻の貨物船が日本に向かって航行していた。しかし、今いる場所は嵐の真っ只中。突然現れたために回避コースを取れなかった。
積み荷はウラン。小笠原諸島のある島に作られた海上原子力発電所に運ばれる予定になっている。
「海上保安庁の船、来てませんね。」
「この嵐だ。仕方ないだろう。通信すらまともに働かないんじゃあ、下手に海に出れないさ。」
「……無事に終わりますかね……」
「ま、目的地まで10時間切ったんだ。無事を祈る事しかできない。とりあえず、コーヒーを頼む。」
「はい。」
若い船員は給湯室に向かう。ウランほど危険度が高い積み荷になると、船員は皆神経をすり減らしてしまう。コーヒーは必需品だ。
「どうぞ。」
2人はコーヒーを口にしながら、レーダーを目にする。
「この海の中は、嵐が来ようが来まいが変わりは無いのだろうな……」