ゴジラ1560

□第一部 始動
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「私に一つ案があります。」

 そう言って立ち上がったのは、防衛庁科学技術局の神田博士だ。

「神田博士、案とは何ですか?」
「実は先頃、米軍の特別実験室から興味深い資料が送られて来たんです。」

 神田はコピーした資料を全員に配った。

「高圧エネルギーによる新型爆弾の実験記録です。原爆のような無差別の攻撃を目的としておらず、ピンポイントで命中させ、目標を確実に撃破する事を目的とした兵器です。」
「この高圧エネルギー爆弾でゴジラを倒すと?」
「いいえ、この爆弾ではゴジラは倒せません。注目すべきはこの爆弾のメカニズムなんです。」
「メカニズム?」
「この爆弾は、高圧の破壊エネルギー発生装置を爆弾の中に組み込ませ、その爆弾を目標にぶつけるんです。爆弾の外装に使われている特殊合成金属は、この高圧エネルギーを外に出さず、反射させるんです。そうして極限まで増幅されたエネルギーが、爆弾が目標に接触したと同時に一気に放出されるのです。」



 
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