UNIVERSE ZERO
□第14話『地上』
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「うわぁっ!」
「くっ……」
その時、輸送船全体が大きく揺れた。激しく揺れる船内。シートに座り、ベルトをしなかったらどうなっていたか、考える前に分かる。
「突入したか……」
「地上まではどれくらいかかるんですか?」
「さほど時間もかからないだろうな……5分って所だな。」
コウイチは胸を高ぶらせていた。これから向かう場所は正に未知の空間。未知の領域なのだから。
今まで、宇宙という場所しか知らなかったコウイチにとって、地上はTHE EARTHの言う故郷などでは無い。しかし、地上に近づいて行くに連れて、コウイチの中に妙な思いが芽生えつつあった。これは、単なる期待感では片付けられない。もしかしたら、人類種としての本能なのかもしれない。今、窓から見える青い惑星。それが段々目の前に迫りつつある。
惑星は丸みを失い、その代わりに目の前に広大な大地を現した。