UNIVERSE ZERO

□第2話『新兵』
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「で、今日は依頼は入ってなかったよな?アヤコ。」
「ううん。7番連隊の飛行訓練に立ち会う事になってるわ。」
「却下。」

 アレンはそう吐き捨てながら、再び朝食に手をつける。これから先、嫌という程目にする事になるアヤコの困った顔をコウイチは初めて目にする。

「アレン、これも正式な依頼よ。」
「何が正式な依頼だ。今更訓練など不要だ。」
「でも……」
「俺とお前は正規兵じゃない。それを忘れるな。それから、ノウミ。」
「はいっ!」

 アレンはコウイチを指した。アレンに初めて名指しで呼ばれて、若干びくついてしまった。

「俺を覗けば、この連隊のメンバーに悪い人間はいない。俺の事はアヤコに聞く事だ。」
「はぁ……」
「ちょっとアレン!」
「俺は今日機体整備と新装備の買い出しに行く。アヤコ、キミシマには適当な言い訳を頼む。」
「もう………」

 言い出したら聞かないアレンの性格をアヤコは知っている。アヤコはアレンに強要するのをこんな具合で諦めている。

 
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