パレット
□【月飼い】
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…気が付くと、朝だった。
僕はどうやら、彼女のあの言葉を最後に寝てしまったらしい。
もう彼女は仕事に行ったようだ。
机の上には、いつものように朝食が準備されていた。
朝食を食べようか、と伸びをしながら立ち上がると窓辺に…
昨日の水槽がまだ置いてあるのが見えた。
「月を飼う…か。」
水槽に近付いてみたが、中にはもう何も居なかった。
この部屋には今や…
僕、一人だけ。
水槽の横を見ると、メモが残されていた。
『まだ水は捨てないでネ!!昼間は居ないかもしれないケド、夜には帰って来るの。大事にしてやってね♪』
ロマンチストな彼女らしい、と思って、フッと笑みが零れた。
と、その瞬間…
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電話のベルが鳴った。