短編

□いつかまた会えるから
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ヒカルが2歳の夏の終わりの少し前のことこの慈愛養護施設に新しい児童が入ってくことになった

「みんなー!!ちょっと聞いて。今日から新しいお友達が来まーす!みんな仲良くしてね!」

園長先生が児童達に説明をする

「ねぇしゃい、あたらしいおともだちってどんなこ?」

今だサイと発音出来ないらしい

「アキラって言うんですよ。ヒカルと同じ年の子って言ってましたね。」
「おんなじ?やった!!」

わーい!わーい!と喜ぶヒカル
周りの子も喜んだりソワソワしている
小さい子達はうるさくさったことに驚いて泣き出してしまった
しかし保母さん達よりも微笑ましい光景にヒカルの成長を感じていた彩だった

ヒカルや他の子達が遊んでいる最中についにアキラがやってきた

「はい、みんなこっち向いて!!この子が今日からみんなと暮らすアキラくんです。アキラくん自分でお名前言えるかな??」
「アキラです。よろしくおねがいします。」
「はい!ちゃんと言えましたね。ではみんな仲良くしてね!」

アキラの紹介が終わるとすぐにアキラの元へヒカルが駆け寄って来た

「オレ、ヒカル!あそぼうぜ!!」

そうしてアキラの手を取り有無を言わさず積み木の方へと引っ張っていった

「まぁヒカルちゃんったらさっそくアキラくんと遊ぶのね。」

園長先生がニコニコしながら見送った

「ヒカルとアキラですか・・・・似たものは引き寄せられるのかもしれませんね。」

「彩さん?どうか しました?」
「いえ、なんでもありません。」




アキラはヒカルと同じ教会に捨てられていた
今まで親戚にたらい回しにされたあげく教会に捨てられていたのだ
教会の前にボロボロの服を着てひとりぼっちで座っていたという
両親もその親戚もアキラを育てられる環境ではなく慈愛養護施設にやってきた
いままでの環境は劣悪だったにも関わらずアキラは賢い子で自分の置かれていた環境良く理解していた




ヒカルとアキラ
同じ場所に捨てられていたのも運命
出会ったのもまた運命
その運命は幸運だったのか悪運だったのか
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