おはなし

□狼なんか怖くないっ!
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「お前もくるよなぁ??海堂!まさかお前、怖いのかぁ??」

桃城のそんな挑発にのってしまった俺に、酷く後悔した。

テニス部名物真夏の肝試しin青学

去年は何とか行かずにすんだのだが。

(どうしよう…!!!)





+++




夜風が頬に当たるだけでも背筋に悪寒が走る。
昼間なんとも無い校舎も、夜は暗く、木の葉が揺れるだけで凄く不気味だ。


「じゃあ……」

不二先輩の説明も、もう聞こえない。

「海堂。」
「ッ!?」
突然声を掛けられ、身体が跳ねる。
乾は全てを察したのか、優しく小声で囁く。
「今のところ…俺しかお前がこういうのダメってこと知らないからね。ちょっとイカサマさせてもらったよ。海堂は、俺と回るから、安心して良いよ。」
ペアを決める際、乾が少し細工をしたのだという。
いつもなら許さない行為なのだが、今日はとても助かった。
桃城なんかとペアだったら…どうなることか。


「さぁ、行こうか。大丈夫。適当に時間つぶして、回らずに帰るから。」
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