おはなし
□夏
2ページ/4ページ
さりげなく訊いた質問に、少し後悔を覚えた。
―――訊くんじゃなかったかな。
そう思ったときにはもう手遅れで
身体は言うことを聞かなかった。
夏が始まる。
夏が終わる。
そのとき、僕らはどうしてる?
俺は
このままはやだよ。
「…俺も…いるよ。」
「…そうっすか。」
興味無い、というように相槌を打つ。
「きっとその人は気付いてないけど、ずっとずっと好きだったんだ。」
「…気付いてたよ。」
「え?」
雑音に紛れて聞こえた声は、俺の幻聴だろうか。
「俺はずっとアンタ見てたから…。」
それは、俺の良いようにとって良いのか?
「俺は、アンタの一番にはなれないって…分かってるっス。」
…ん???