おはなし

□夏
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さりげなく訊いた質問に、少し後悔を覚えた。
―――訊くんじゃなかったかな。

そう思ったときにはもう手遅れで
身体は言うことを聞かなかった。

夏が始まる。
夏が終わる。

そのとき、僕らはどうしてる?

俺は
このままはやだよ。

「…俺も…いるよ。」
「…そうっすか。」

興味無い、というように相槌を打つ。

「きっとその人は気付いてないけど、ずっとずっと好きだったんだ。」

「…気付いてたよ。」

「え?」

雑音に紛れて聞こえた声は、俺の幻聴だろうか。

「俺はずっとアンタ見てたから…。」

それは、俺の良いようにとって良いのか?

「俺は、アンタの一番にはなれないって…分かってるっス。」

…ん???
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