黄菖蒲
□ep.1
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『ここが楢鹿…』
少女は門から中を見渡した。
神社のような中華風の校舎。とても独創的な建物だった
森「未頼、行くよ?」
自分の前を歩いていた少年・・・鳴瀬森羅が呼びかけてきた。
真「行こ行こ!!シン君なんてほっといて行きましょ!!」
自分の隣を歩いていた少女・・・鳴田真良が腕を引っ張っていく。
『はいはい・・・二人とも仲良く行こうね?』
とりあえず二人をなだめて、真良を自分の手から離れさせる。
すると、しぶしぶという感じではあったが、解放してくれた。
森「ほら、誰が見てるかわかんないし、これから何があるかわかんないんだから、取り合えず静かにしてろよ」
真良の横まで下がってきていた森羅が、真良の頭を軽く叩いて落ち着かせている。
真「うぅ・・・わかったよぅ・・・」
少し不機嫌になりつつはあるが、なんとか落ち着いてくれた。
『じゃあ早く行きましょ、真良は寮でも一緒なんだから、ね?』
後半部分を笑顔で言えば、コクコクと頷いてくれた。