銀魂長編

□タイトルは未定!?=池田屋編2=(作成中)
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陽が目を開けると、そこには闇が広がっていた
辺りを見渡すが何にも見当たらない
自分の腕や足を見るとはっきりとは見えないが視認することは出来た


どうやら自分は立っているらしく、足踏みをしてみるとコツコツと固い床を革靴で踏み鳴らすような音がした


『夢..なのか...?』

陽の問い掛けは深すぎる闇に呑まれてしまう


現実の自分は戌亥星人によって気絶させられた後どうなったのだろうか


そう思案する陽に何もない、何も感じられないはずだったこの空間で聞き覚えのある声を耳にした


声のした方に視線を向けると其処には嘗て幾つもの死線を潜り抜けてきた四人の戦友が懐かしい姿で陽を見ていた


≪陽、何をそんな所で道草をくっておるのだ。≫

≪陽!はよせんと旨いもんぜーんぶワシが食うぜよ!≫

≪おい陽、早く来い。何時まで人を待たせりゃ気が済むんだ。≫


≪ったく何やってんだこっちは腹減って死にそうなんだよ。ほら、待っててやるから早く来いよ。≫


ふと足元を見てみると、陽は自分の姿が変わっていることに気がついた

まだ何も知らなかった、あの時の、あの姿、


真白の陣羽織をたなびかせ、鉄下駄を鳴らし、陽は前方にいる仲間達を目指し走り出す



――――――――この瞬間がずっと続けばいい―――――――――









だが、陽のその願望は直ぐに打ち砕かれた





どんなに、どんなに走っても陽は彼等に追い付けない


それどころか、走れば走るほどその差は開いていく


『...って、......待って、..っ....待って!!』


息を切らしながら陽は四人に向かって叫び続ける


しかし、どんなに声を荒げても誰も振り向いてくれない



『待って!!....待っ、うわ!?.........ぃ、たあ...』




足下の注意が疎かになっていたからか陽は足が縺れて派手に転んでしまった


直ぐに起き上がり前を歩いていた者達を見る









そこに、今まで追い駆けてきた者達は、いなかった




辺りを見渡してみても何もないし誰ももういない







――置イテイカレタ――






その事を理解した瞬間、陽の何かが切れた



『....だ.......嫌だ....、ないで....俺を置いていかないで!!!!』





そう叫ぶ陽を嘲笑うかのように、闇は静まり返る其処に陽を縛り続けた










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