薄桜鬼*ひと恋めぐり

□新しい恋
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一瞬答えに迷った。
だって…今も好きかと聞かれたら、まだ好きな気持ちは消えてはいないから。
だけど、諦めるって…忘れるって…決めたから。


『…私、一度フラれてるし…異動をきっかけに諦めようって決めたんだ…。そりゃぁ、今すぐには気持ちは切り替えられないけど……』


『じゃあさ…』


平助くんが私の両肩に手を乗せた。
ゆっくりと平助くんの顔を見上げると、そこには私の目をしっかりと見据えた真剣な瞳の平助くんが居た。


『俺と…付き合おう…、俺はまみが好きなんだっっ』


耳まで真っ赤にした平助くんが唇をぎゅっと結んで私の目をじっと見つめる。


…平助くんが…私を、好き…?


ボンッと一気に顔に熱が集まり熱を持つ。


『えっえっ////何で?平助くんが…私を!?』


右に左に、私の目は行ったり来たりする。
口はパクパクとまるでまな板の上の魚のよう。
そんな様子を見て平助くんは、ぷっと吹き出した。


『ぷっ…、お前、笑かすなよな〜。そんなに動揺しなくてもいいじゃんかよ…、って驚くよな?お前、新八っつぁんしか見えてなかったし?』


『あ、あの…いつから想っててくれたの?』


『ん?…いつからだっけなぁ…気がついたら好きになってたんだ』


…いつもお千ちゃんと三人で居たけど、全く気づかなかった…。
平助くんの言うように、確かに私は永倉さんしか見てなかった。


『…でも私…まだ永倉さんのことが…』


私の心の中にはまだ永倉さんが居る。簡単に忘れられるような想いじゃなかった。それなのに、まだ他の人を想っているのに平助くんと付き合うなんて申し訳ないと思った。
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