薄桜鬼*ひと恋めぐり

□不安と焦り
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エレベーターで永倉さんと一緒になって、泣きながら想いを伝えたあの日から一週間が経った。
相変わらず社内で会うことはなく…今までと何ら変わりのない毎日を送っている。
ただひとつだけ違うのは…
やっぱり私は永倉さんへの想いが断ち切れないままだったこと。
このまま平助くんと一緒に居ても…彼を傷つけることには間違いない。平助くんにちゃんと話さなきゃ……もしかしたら、もう二度とあの元気いっぱいの笑顔は見れなくなるかもしれないけど…これ以上、ごまかし続けるのは良くない…。



『…い!!…おーい、まみ?大丈夫か?』


ハッとして顔を上げると目の前には平助くんの大きな瞳があった。


『―!!わっ!?な、何!?どうかした!?』


驚き後ろにひっくり返りそうになる私を見て、平助くんが深いため息をついた。


『はぁぁ、どうかしてんのはお前の方だっつーの!!…何か考え事、してたのか?』


『え、あ、…ごめん…』


『ま、いーけど…。それよりさ、連休どこ行きたい?』


テーブルに所狭しと広げられた何冊もの旅行ガイドブック。
5月の大型連休にどこか出掛けようと平助くんが言い出し、今は場所を決める為に私たちは会社帰りにカフェに立ち寄っている。
連休を使っての旅行ってことは…、そうゆう意味だよね…。


ガイドブックを見比べながら、あぁでもないこぅでもないと楽しそうに吟味する平助くんを見てたら、…なかなか肝心な話を切り出せない。
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