薄桜鬼*ひと恋めぐり
□バレンタイン2
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バレンタインデー当日。
紙袋を抱えた女子社員が多く見られた今日。
昨夜から一気に冷え込んだようで朝からかなりの寒さ…更に天気予報では夕方には雪まで降り出すとか。
『やっぱりマフラーにして良かった…』
就業時間になり、つい独り言を呟いてしまう。
『今村ちゃん、ご機嫌だね?今日は彼氏とデート?』
『あ、沖田さん』
あ、チョコ渡さなきゃ。
『あの、沖田さんこれ…、あと斎藤さんも井上課長にも、良かったら食べてください』
紙袋からチョコを取り出し手渡す。
『バレンタインのチョコ?僕、チョコの甘さより金平糖の甘さの方が好きなんだけど』
『こ、金平糖、ですか!?』
『あっははは、冗談だよ』
『総司、あんまりからかうな。…今村、悪いな。これは有り難くいただくとしよう』
『斎藤さん…、いつもありがとうございます』
斎藤さんは唇の端で薄く微笑んだ。
『いや〜やっぱり女子社員が居ると華やかになるねぇ、今村くんありがとう』
『井上課長、こちらこそいつもありがとうございます』
良かった…皆喜んでくれてる…!!
私は総務課を後にして更衣室へと向かった。