薄桜鬼*ひと恋めぐり

□就業後デートとその理由
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永倉さんに彼女が居るとゆう事実を知っても、私が彼を想う気持ちは揺らぐことはなかった。


逆に……
彼女から携帯に連絡があった時、一瞬だけ永倉さんの顔が強ばったことと、原田さんが言った『時間の問題だろ…』、もしかしたら彼女とはうまくいってないのかもしれない…。


彼が辛い想いをするのは嫌だけど…
だけど、私は彼が…永倉さんが好きなんだもん。
自分の恋は自分で何とかしなきゃっ!!




残暑の厳しさもだいぶ和らいできた9月下旬。


永倉さんと私は土方さんに呼ばれた。


『今からこの書類を芹沢商事まで届けてもらいてぇんだ』


『またかよ、土方さん…』


がっくりとうなだれ、盛大なため息をつく永倉さんに首を傾げる。


『新八、お前にしか頼めねぇんだ…、俺が行っても芹沢さんとは反りが合わねぇからこの企画も破談になるのは目に見えてる』


落ち着いた口調で話す土方さんに、永倉さんは仕方なさそうに眉をひそめて何度も頷く。


『しかしよぉ…また朝まで付き合わされるのはごめんだぜ?芹沢さんとこに行く度酒に付き合ってたら体が持たねぇだろ』


無類のお酒好きの永倉さんの台詞とは思えなかった。
それにしても…芹沢さんて…?
お得意様なのは知ってるけど…。


『だから今村も同行させるんだよ』


『え?私もですか?』


『あぁ。…新人の今村の挨拶回りに付き合わなきゃいけねぇとか何とか適当に言えば芹沢さんもしつこく誘ってくるこたねぇだろ?』


『あの芹沢さんだぜ?…そんなんでうまくいくのかよ』


『うまくいくかはお前ら次第だ。下手すりゃ今夜は朝まで芹沢さんの酒の相手しなくちゃならねぇからな。頑張れよ新八!!…あと、お前たち芹沢さんとこが終わったら直帰していいからな』
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