薄桜鬼*ひと恋めぐり
□淡い期待と厳しい現実
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約束していた居酒屋の暖簾をくぐると、原田さん平助くんお千ちゃんの3人が待っていた。
『新八っつぁん!!』
『まみちゃん!!』
平助くんとお千ちゃんがぶんぶんと手を振って、こっちだよと知らせてくれる姿が何だか嬉しかった。
『残業、手伝えなくてごめんね?大丈夫だった?』
『うん!!ばっちりだよ、ありがとう』
遅れて到着した永倉さんと私は、ふたつ並んで空いている席へと座る。
……/////
ラッキー…隣に座れちゃった////残業して良かったっっ
『んじゃ、今日もお疲れっ、かんぱーい!!』
ガチャンとジョッキがぶつかる音が響く。
『……くぅーー!!五臓六腑に染み渡るぜぇ』
美味しそうに生ビールを飲み干す永倉さんはとても生き生きしている。
永倉さんがお酒好きなのは社内でも有名な話しで。
酒の席に永倉あり!!と言われるほど。
といっても、仕事はとても真面目で曲がった事が大嫌いな筋の通った人…。
『…んで、平助のあの時の顔っつったら焦って顔面蒼白でよ』
『そうそう。悪ぃけど俺、腹よじれるかと思ったぜ』
『左之さんも新八っつぁんも、呑むと絶対その話ししだすよな////ったくいい加減にしてほしいよ…』
お酒が進むと決まって話題に上がるのが、平助くんの初恋の話し。
初恋の女の子に思い切って手紙を渡したものの、緊張のあまりに間違えて違う子に渡しちゃったとか。