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□はっぴーばーすでー
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*ほぼ会話文
「コシマエーっ!!」
軽快な足音を立てながら走ってきた金太郎は、ぴょんっと跳ねると後ろからリョーマに抱きついた。
「何、重いし暑苦しいんだけど」
「わい、今日誕生日やねん!!」
「へー、それで」
「えー、お祝いしてーな」
「嫌。面倒だし」
「おめでとーって言うだけでえーから」
「嫌」
「えー言ってーな」
「しつこい」
「コシマエのケチ、アホー」
「……………」
「言ってーな言ってーな言ってーな言ってーなー」
「…あーっ、もう!!」
くるっと首だけを回すと、ちゅっと小さく音を立てて頬に口付けをひとつ。
「……Happy Birthday遠山」
真っ赤な顔でそう呟くと、すぐに首を戻して下を向いた。
「コシマエーおおきにー」
眩しい太陽のような笑顔をみせた後、リョーマと同じようにちゅっと頬に口付けを落とす。
「ちょっ、何で俺にするんだよ!!」
「えーやん、えーやん!!なーもういっかい。もういっかいしてーな!」
「嫌、絶対に嫌」
「ケチー」
◇はっぴーばーすでー◇
―ちょっとだけ、ちょっとだけ素直になってみた。
「…もう一回だけだからね」
そう言うと、再びくるっと首を回した。