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□昼下がり
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☆リョーマのキャラが崩れています。ご注意を
大好きな人と2人。
2人っきりで過ごす午後。
だけど―全然面白くない。
「赤也、あかや」
服の端を引っ張って呼びかけてみるけど、気づいてくれない。
何回呼んでも、気づかない。
赤也はさっきからずっとカルとじゃれあって遊んでいた。
俺が大好きなカルと大好きな赤也が遊んでいることは嬉しいことなのだけれど、赤也が俺を見てくれないのは気に食わない。
俺がカルと同じくらい赤也のことが好きだというのは当たり前だけど、赤也が俺と同じくらいカルが好きだというのは嫌だった。
むしろ、赤也の一番は俺じゃなきゃ、嫌。
それに、久しぶりに会えたこの日を2人っきりで過ごしたかったのだ。
練習試合や大会で会っても、先輩たちの邪魔が入ってなかなか2人で過ごせないしね。
俺は意を決して立ち上がると赤也の目の前に立って、カルの前足と体の間に手を入れ、ぐいっと上まで持ち上げる。
「ほあらー」
「ちょっ、リョーマ何すんだよ!!」
「カルはこっち」
騒ぐ赤也を無視してカルを部屋の外まで連れて行く。
廊下にそっと降ろした後、カルは一鳴きして、のそのそとどこかへ行ってくれた。