陰陽獣

□第八章:宝珠
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【鷹虎目線】



ううう

もう耐えられん


鷹虎「……ハァハァ!ハァハァ!……ッく……あ……」


手のひらに射精をし、そのあとは耳を塞ぐ……素振りをして結局気になってしまい、あいつらの性交している声を聞く


毎日なにやっとんじゃ俺は……



龍斗「ちょっ!凱さんっ!そんなとこ舐めないでくださいよ!くすぐったいっすってば!」

凱「いいだろー別に?昨日そっち側舐めたら喜んでたじゃねーかよ?」

鷹虎「…………」


い、い、一体どこの事を言っちょるんじゃい……


こんなにも獣交換の儀が辛いものだなんて思ってもなかったな



だが、龍斗の未来の為だ

我慢せんと……







龍斗「先生?早くやりましょうよ」

鷹虎「え?あ、ああ」


今、特訓中だったわ


龍斗と並び魔力を手に集中させ、片手で逆立ちをする


龍斗「ハァハァ!ハァハァ!」


すぐに全身からボタボタと汗が垂れ始める龍斗


龍斗「うおー!きっつ!!」

鷹虎「ほら、集中せい」

龍斗「何でそんなに平気でできるんすか!?ハァハァ!!辛くないんすか!?」

鷹虎「辛いぞ?だが龍斗とは心の落ち着きさが違うかな。心の乱れは魔力の乱れじゃわい」

龍斗「ハァハァ!でた!鷹虎先生の訳わかんねー言葉!」



最近は龍斗も俺も上半身裸になり特訓をしている


俺が脱いだら、自然といつのまにか龍斗も脱ぐようになっていた



鷹虎「よし、終わりだ」


床に倒れる龍斗


龍斗「ハァハァ!もう……無理!ハァハァ!ハァハァ!」

鷹虎「ほら、水だ。飲みなさい」


ゴクゴクと一気に飲み干す


ツンツンの硬い黒髪も汗でヘタっていた


汗で光る体

正直、目のやり場に困る


それに


龍斗「鷹虎先生」

鷹虎「……ん?」

龍斗「腕に力入れてみてください!」


こんな事やらせるんだもんなぁ


鷹虎「ま、またかぁ?」


俺は腕を曲げ力を入れて力こぶを作った


龍斗「うぉおおおお!!すげぇすげぇ!!」


ニギニギと腕を触ってくる龍斗


龍斗「かたっ!ふっと!」

鷹虎「……も、もういいだろ?」

龍斗「やっぱすげぇなぁ……俺も早くそんなに太くなりてぇっすよ」

鷹虎「お、俺なんかより凱の方が筋肉すげぇだろ」

龍斗「うーん、なんつーか、俺は鷹虎先生みたいな感じが好きっすねー」

鷹虎「え!?」

龍斗「確かに凱さんの体の方が筋肉すげーしかっちょいいっすけどね」


がーん


龍斗「でも、鷹虎先生みたいな感じに憧れるんすよね」

鷹虎「そ、そうか。ありがとうな」


うれしいような悲しいような……




鷹虎「しかし龍斗、自分では気付いてないかもしれんが、ちゃんと逞しくなってきてるぞ」

龍斗「そうかなぁ」


腹や腕に力を入れて俺に筋肉を見せてくる龍斗



や、やば……

た、たまらん……


股間が反応しかけた為


鷹虎「……よ、よし、今日は終わりだ。汗を流してこい」

龍斗「はーい」


いつもより少し早めに特訓をやめた

龍斗は脱いだ羽織を肩にかけて部屋を出ていった



すると


凱「終わったか?」


凱がやってきた


鷹虎「ああ。今終わったところだ」


俺に水を持ってきてくれた凱

それを受け取り飲み干した


凱「俺の計算だとお前達の住んでいる島に結構近付いてきてるはずだ」

鷹虎「ああ。島に到着する頃には獣交換の儀は終わりそうか?」

凱「うーん、まだもう少しかかるかな」

鷹虎「そ、そうか」


まだかかるのか









そして3日後


鷹虎「ほら見てみろ、島が見えてきたぞ」

龍斗「え?……どこに見えるんすか?凱さんも見えます?俺目悪いのかな」

凱「いや?俺もまだ見えねーけど、確かにそろそろ到着してもいいはずだ」

鷹虎「俺は鷹の陰陽獣の血のおかげで目が皆より何倍も良いんだ」

龍斗「うおー!すっげぇ!」

凱「そうか。それなら船をここでとめよう」

龍斗「え!?」

鷹虎「そうだな。それがいいかもしれん」


凱は操縦室へ船をとめに行った


龍斗「ど、どういう事すか?」

鷹虎「響の葉文に書いてあっただろう?」

龍斗「え?ベケウ村がヤバイってやつっすか?」

鷹虎「ああ。こんな船が島の海岸にとまってみろ。もし敵がいるならばすぐに見つかってしまうだろ?」

龍斗「で、でも鷹虎先生強いし大丈夫っすよね?それにもし鷹虎先生やられても凱さんいるし」

鷹虎「ひ、ひどい事言うなよ……」

龍斗「でもここに船とめたらどうやって島に行くんすか?」


その時


凱「泳ぐしかないだろ??」


凱が船をとめ戻ってきた


龍斗「えーっ!まじっすかぁー?」

凱「なんだ龍斗?泳ぎは苦手かー?」

鷹虎「龍斗、お前は泳ぎの成績はクラスでいつも上位だったろ?」

龍斗「で、でも……」

凱「大丈夫。俺が龍斗の後ろを泳いでちゃんとフォローしてやるよ」


お、俺が言おうとしたセリフ……


凱「鷹虎は島が見えるなら先導を頼む」

鷹虎「あ、ああ。わかった」



そして各々が荷物を準備する


鷹虎「龍斗、本当に大事な物だけ持っていけよ?あとはここに置いていくんだ」

龍斗「大事な物……うーん……ベケウ村に行けばそれなりに揃うし……」

鷹虎「そうだな」

龍斗「あ、これは1番大事だから絶対持って行くっす」

鷹虎「ん?」


龍斗は最近ずっと外していた首飾りと耳飾りをつけ始めた


龍斗「毎日凱さんとセックスだし、鷹虎先生と特訓だから最近外してたんすよねー」

鷹虎「……りゅ、龍斗の1番大事な物はそれなのか?」

龍斗「え?そっすよー?え!?まさかこれも持っていっちゃダメとか言うつもりっすかー!?」

鷹虎「……いや、そんな事は言わんよ。大事な物なら持っていきなさい」

龍斗「はーい」

鷹虎「……でもどうしてそれが1番大事な物なんだ?」

龍斗「決まってるじゃないすか!俺が鷹虎先生から教えてもらって作った初めての装飾品すよー?」

鷹虎「あ、ああ」

龍斗「さ、早く行きましょ」


龍斗は装飾品だけ着けて行ってしまった




嬉しすぎる


俺も何も持たずに外へ出た






1番大事なものは俺のすぐ側にいつもあるから
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