陰陽獣
□第十二章:五指獣
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紅蓮「逃げても無駄だぜ?さっさと腕渡せよ」
獄禅「断る」
紅蓮「ん!?お!!そいつは銀竜か!すっげぇ!そいつも竜の刻印の一族なのか?」
銀牙「竜の刻印?」
獄禅「俺の腕の刺青の事だ。こいつらの目的はこの刻印なんだとよ」
銀牙「へぇ」
獄禅「こいつは俺の一族じゃねぇよ」
紅蓮「この国にお前の一族はあと何人いるんだ?」
獄禅「さあ?」
龍斗の存在の事は絶対言ってはまずい
紅蓮「まぁいいや」
魔力を上昇させる紅蓮
来る!!
紅蓮「なぁ。俺も竜化やってみていい?」
銀牙「!?」
獄禅「な、何言ってんだてめぇ?竜族でもないのにできる訳ねぇだろ」
紅蓮「確かに俺はこの国出身じゃねぇよ。けどさ……」
ま、まさか!?
紅蓮「俺には紅竜の陰陽獣の血が流れている」
銀牙「!!」
獄禅「ま、マジか!」
紅蓮「驚いた?だよな?だよな?しかも紅竜だぜ?あんたらの吐く炎とは桁違いに強い自信がある!」
獄禅「確かに紅竜といえば炎。だが俺の炎をなめてもらっちゃ困るぜ?しかも竜化の事をさっき知ったばっかの奴がすぐできるはず……」
銀牙「こ、国王!あれ……」
獄禅「……な……!?」
う、嘘だろ!?
なんと
紅蓮はみるみると竜の形へ姿をかえていった
紅蓮「俺の前で竜化したり人間に戻ったりすんの見せてくれたおかげですぐできちゃったぜ?俺って何でこんなに天才なんだろ」
銀牙「化け物だな」
俺や銀でも1週間はかかったんだぞ!?
紅蓮「まずは……俺の炎喰らいやがれ!」
大きく息を吸い込む紅蓮
獄禅「まずい!離れろ銀!!」
すぐに紅蓮から離れた
銀牙「………」
獄禅「………?」
紅蓮「……あ、あれ!?どうやって炎吹けばいいんだ?出ねぇんだけど」
銀牙「………」
獄禅「……やっぱまだ竜化は早かったみてぇだな」
紅蓮「そ、そんなはずは!……あ、あれ!?か、体が動かねぇ!な、な、なんだこれ!?」
銀牙「竜化の術に溺れたな」
獄禅「俺が昔竜化の術を失敗した時は喋る事もできなくなったぞ。お前ももう少ししたら喋れなくなる」
紅蓮「な!?ど、どうやって人間に戻るんだ!?」
獄禅「お前天才なんだからそんなの簡単だろ?」
紅蓮「てめぇ!!ふざけんなクソがあああああ!!!」
獄禅「……んじゃ、本物の竜化の力を見せてやろうぜ銀」
銀牙「ああ」
その時!
乱舞「待て」
水無月「俺達がいるの忘れたのか?」
銀牙「国王どうする?こいつら先にやる?」
獄禅「俺があの風属性をやるから、銀、お前あの水属性やれるか?」
銀牙「わかった」
獄禅「風使い、俺とあっちでやろうぜ?」
乱舞「いいだろう」
【銀牙目線】
国王と風使いは少し離れた場所へ飛んでいった
水無月「お前は土属性の銀牙、年齢33歳のレベル8。そして、あっちの黒髪は炎属性の獄禅。年齢39歳のレベル8」
銀牙「………」
水無月「同じレベル8でもお前は最近まで7だった。知性、精神等のトータルで考えると獄禅はレベル9と言ってもおかしくはない」
銀牙「………」
御名答
凄い分析力だ
水無月「分析だと思った?違うな。分析だけじゃ名前や年齢まではわからないだろ?俺は見えるんだよ。名前や年齢、属性やレベル、性格までわかる。お前の性格は冷静だが、短気で好戦的な面もある。ここギルナ山に住んでいる同じゴラド族と獄禅以外は信用していない」
銀牙「………」
水無月「ゴラド族は何でも食す。肉や内臓はもちろん、骨まで食べて魔力を高める」
銀牙「………」
水無月「獄禅の事が好きでたまらない様子だな。と、まあこんな感じで俺のこの目で見たら全部わかるんだ」
銀牙「そうか。俺もお前がおしゃべりだと言うことがよくわかった。いいから早くかかってこい」
水無月「それでは……これですぐ終わりにしようか」
水無月は杖を水の弓に形を変えた
遠距離武器ならこのまま銀竜の姿でいく
弓を弾き構える水無月
水無月「1発できめる!!」
俺に向けて矢を放った!!
凄いスピードで矢が飛んでくる!
だが
銀牙「無駄だ!!」
翼を広げ風を起こして飛んできた矢を止めた
水無月「!!」
銀牙「そんな1本の矢で本気で俺が殺れると思ったか?」
水無月「……1本?」
銀牙「……?」
その時!
後ろを振り向くと
銀牙「な!!しまった!」
水無月「今頃気付いてももう遅い!」
数百本もの水の矢に囲まれていた!
いつのまに!!やばい!
水無月「いけぇえええ!!!」
すぐに魔法で体を防御したが
銀牙「ぐぅうわあああああああああああああ!!!!」
全身にもろに刺さってしまった!!
水無月「それ、ただの水の矢だと思ってる?」
銀牙「な!?ハァハァ!!」
水無月「俺は自分で調合した薬液を魔法と融合させる事ができる。今回融合した薬液は筋肉と神経を麻痺させる薬液だ」
銀牙「……!!ハァハァ!ハァハァ!」