陰陽獣

□第十三章:決戦
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エルフ族

陰陽獣の血にエルフの血が流れている者

ジハドラバに住む竜族達と同様、れっきとした人間である


肌は白く身長は低い者が多い

華奢なイメージがあるが逞しい者もいる


そんなエルフ族が集まって暮らしている里が世界のどこかにある


名はグリンベル

多種多様な花や緑の木々に囲まれ、綺麗な水が流れる

負の魔力とはかけ離れた美しい場所だった




【紅蓮目線】


番人を殺し里の中へと入る


紅蓮「おおー!すっげぇ綺麗な場所だな!」

水無月「そうですね」

紅蓮「それにしても誰もいねーじゃんか」

水無月「そりゃあ入り口でいきなり殺してますからね。もう既に警戒して身を隠してるんでしょうね」

紅蓮「ま、魔力だだ漏れで隠しきれてねぇけど。氷騎、あの氷の雨のあのバーって技やれ」

氷騎「全員死ぬけどいいんすか」

紅蓮「空で留めておけ」

氷騎「わかりました」



氷騎は魔力を上げ術を唱える

すると氷騎の全身に纏っていた氷の魔力が一気に空へ上昇した

上昇した魔力は鋭い氷となり辺り一面の空を覆った



紅蓮「これを降らせたくなかったら全員出てこい。もちろん王もだ」


すると


隠れていたエルフ族が姿を現した


紅蓮「へぇ。まじでチビばっかりだな」


エルフ族は背に綺麗な羽がはえていた


エルフ「こ、この里に何の用だ」

紅蓮「おいおい」

エルフ「……え?」

紅蓮「誰が勝手に喋っていいって言った?」

エルフ「……くっ」

紅蓮「あっはっは!冗談だ冗談。そんな怖がるなよ。あ、質問の答えだけどな、この里に来た理由はエルフ王に用事があってきた」

エルフ「…………」

紅蓮「だからさ、さっさと連れてこいよ」



その時


「俺に何の用だ」


奥から1人のエルフとその側近と思われる2人のエルフがやってきた


紅蓮「お前がエルフ王だな」

「そうだ。俺がグリンベルのエルフ王の珀瑛(ハクエイ)だ」


エルフ王、珀瑛

他のエルフ達とは容姿が違う


色白な所は同じだが背は普通に高く俺とそんなに変わらない

腕の筋肉や衣服からはだけている胸は相当鍛えていて逞しかった


紅蓮「エルフ王がこんな若い色男だったとはな」


そして何よりも他のエルフと違ったのは


紅蓮「それ、綺麗だな」


七色に輝いた大きな羽をつけていた






犬、猫、魚、鳥、熊、兎等々、数多くの種類が存在する陰陽獣の血

それらには頂点に位置付ける陰陽獣が各種に存在していた


それらを天獣と呼んだ


もちろんその天獣の陰陽獣の血は物凄く強大な魔力を持っている


しかし天獣の血を手に入れるのは容易
な事ではない


天獣の血を手に入れる方法は、各天獣の種類に必要な陰陽宝具を集めなければならなかった

陰陽宝具は物ではなく人間の体のどこかの部位であるのが特徴的だった



そして必要な陰陽宝具を揃えた者は元の3種の陰陽獣の血に加え天獣の血が備わり4種の陰陽獣の血の持ち主となる



今俺が集めている陰陽宝具の種の天獣は龍の陰陽獣だ


龍の天獣は神龍


神龍を手に入れる為に必要な陰陽宝具は3つ


竜族の王族の血が流れている者の体に現れる模様、竜の刻印

エルフ族の王の背に生えている美しい羽、風輝の羽

そして1番探すのが難しいとされている、四神獣、朱雀の血の持ち主の瞳に埋め込まれている虹色に輝く鉱石、彩虹石


これら3つの陰陽宝具を揃えた者は神龍の陰陽獣の血を手に入れる事ができる




水無月「エルフ王、珀瑛、29歳、光属性、身長180p、レベル7」

珀瑛「!」

水無月「陰陽獣はエルフ、白鳥、カブトムシ」

珀瑛「ど、どうしてわかったんだ!」

紅蓮「水無月は一瞬にして相手の能力値や陰陽獣の血等を見抜く事ができる技を持っている」

珀瑛「く……」

水無月「そっちの2人は白樺(シラカバ)と椿(ツバキ)。2人共レベル5」

珀瑛「い、一体何をしに来たんだよ!グリンベルを汚す事は絶対許さないぞ!」

紅蓮「つーかさ、さっさとその羽くれよ」

珀瑛「は、羽!?」




【珀瑛目線】


白樺「王!下がっていてください!」

椿「我々が片付けます!」

珀瑛「白樺!椿!」

紅蓮「片付ける?何を?あーあ。俺こういうカスの相手すんの嫌いなんだよなー」

氷騎「団長、俺がこの2人殺りましょうか?」

紅蓮「あー任せた」



氷騎

物凄く強大でおぞましい魔力の持ち主

それにあの逞しい体

団長の紅蓮よりも鍛え抜かれている

あんな太い腕で攻撃されたらこちらの防御の魔力を最大に上げていても骨まで砕かれてしまうだろう


白樺「珀瑛様には指一本触れさせない!」

椿「いくぞ!」


白樺は杖を剣に、椿は銃に形を変え一斉に氷騎へ攻撃をしかけた


紅蓮「おー。杖の形を銃に変えるとは珍しい」

水無月「銃は弓よりも遠くの敵までスピードのある攻撃ができる。しかし直線的な攻撃しかできない。それに比べて弓は曲射もできるし色々応用的な攻撃が可能。よって遠距離武器ならほとんどの者が弓を選ぶ」

紅蓮「へー」



白樺が凄いスピードで氷騎に斬りにかかった!


氷騎「おうおう。威勢のいい野郎だぜ」


しかし氷騎は氷の剣で白樺の攻撃を軽々と防御してしまった


その時

遠くで狙いを定めていた椿が銃を放った!


水無月「氷騎!避けろ!」


しかし


氷騎「っぐ……!!!がはっ!!」


凄いスピードで放った魔力の銃弾は氷騎の心臓部に命中した


白樺「椿の魔法銃をなめるなよ?」

水無月「白樺が剣で注意を引き付け椿が遠くから仕留めるというわけか」

紅蓮「連携の作戦としては単純だが、相当いい動き方をしてるな」


当たり前だ!

白樺と椿は俺が1番信頼している側近の戦士だ

2人が連携して戦う時は本当に強い




紅蓮「……だけど」

珀瑛「!?」




……な!

そ、そんなまさか!




氷騎「打った弾はこれか?」

椿「!!」


氷騎は銃弾を指でつまみ凍らせて潰してしまった


白樺「た、確かに命中したはずだ!」

氷騎「ああ。まぁ確かに連携はうまいと思ったけど避けれなくもなかった」

椿「そ、そんな訳あるか!」

氷騎「ただ避けるのがめんどくさかっただけだ。だって別に避けなくても雑魚の魔力の銃弾じゃ俺の肉体に傷はつかねぇし」

白樺「な!!」

紅蓮「氷騎は団1番の強硬な肉体の持ち主。防御魔法も俺に匹敵するくらいうまい」

珀瑛「魔力を覆った筋肉で止めたって言うのか!?銃弾だぞ!ありえないだろ!」

紅蓮「は?それくらいできなきゃ俺の団に入れてねーし」
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